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異常値を見抜く『年計』分析作成のすすめ

企業経営において、数字を定期的にチェックすることは健康診断のようなものです。

事業の状態を可視化し、潜在的な問題を早期に発見するためには、単月や単年度の結果を見るだけでは不十分です。

時系列データを活用し、異常値を特定するための「年計」は、経営者にとって強力なツールとなります。

本記事では、年計を作成するメリットとその具体的な活用方法について解説します。

目次

異常値をいち早く発見するための数字の確認

社長が数字をチェックする目的は、自社の状況を正確に把握し、異常値を早期に発見するためです。

しかし、数字を確認することを避ける経営者もいます。その理由の一つに、問題が明らかになることへの恐れがあります。

しかし、この恐れに目を背けることは、問題の放置につながり、最悪の場合は倒産のリスクを高める結果となります。

事業の状況は、時系列で数字を確認することで初めて明確になります。例えば、単月の売上だけではその月の異常値を正確に判断することは難しいですが、過去1年間のデータを基に比較することで、異常値の発見が可能になります。

年計の活用とその利点

「年計」とは、その月から直近12カ月間のデータを集計したものです。

例えば、1月の年計は前年2月から当年1月までのデータを、2月の年計は前年3月から当年2月までのデータを指します。これを月ごとに更新していくことで、1年間のトレンドを常に把握することが可能です。

毎月決算を行なっているイメージです。

年計の利点は以下の通りです。

  1. 季節変動の影響を排除
  2. タイムリーなデータ
  3. 異常値の特定
  1. 季節変動の影響を排除—年計には、良いシーズンと悪いシーズンが含まれているため、季節変動による偏りが少なく、正確なトレンド分析が可能です。
  2. タイムリーなデータ—年次決算のように待つ必要がなく、毎月最新のデータを基に意思決定が行えます。
  3. 異常値の特定—年計をグラフ化することで、数字の凸凹が目に見える形で確認でき、問題が発生している箇所を迅速に特定できます。

具体的な年計表の作成方法については下記で記載しています。

年計作成の実践

数字の凸凹を発見するためには、毎月定期的にチェックを行う必要があります。ポイントは以下の通りです:

  • 定期的な記録—毎月、売上や経費などの主要指標を記録し、過去1年間のデータをまとめます。
  • 手書きでの記録推奨—デジタルツールを使えば簡単にグラフ化できますが、手書きで記録することで、数字に対する感覚が鋭くなり、より迅速に対策を立てることができます。
  • アクションの検討—凸凹が見られる場合、その原因を追求し、必要な対策を講じます。

負担なら100万円単位でも問題ありません。

月次決算はスピードが命ですから、数字はだいたい掴めるたらいいです。スピードです。

また自ら手で記入することによって、対策も早くなります。

エクセルを使えば瞬時にグラフにできますが、手で書くと感じることが多くあります。それが人間です。

まとめ

年計は、会社の健康状態を常にチェックするための有用なツールです。季節変動を排除しながら、過去1年間のトレンドをタイムリーに把握することで、異常値を迅速に発見し、適切な対応が可能になります。

経営者自身が数字を定期的に確認し、必要なアクションを迅速に取ることで、会社の安定と成長を実現することができます。

ずっと見ていないと危ないサインに気付けない

風邪で病院にいって大病が発覚したらいやだからというのは、会社の数字をチェックしない社長の心理とよく似ている。数字をチェックした結果、自社の問題点が発覚することを潜在的に恐れている。

社長は何のために数字をみるのか。それは知りたくない現実=異常値をいち早く知るために他なりません。

事業が永続的にうまくいくなら、数字を見る必要はありません。健康な人も年齢とともに体力が衰えるように、うまくいっている事業も、市場の変化とともに壁に当たる。それをいち早く察知するには、数字を見る以外にない。

悪い現実を直視することは、社長にとって愉快なことではありません。怖いからといって目をそむけていては、問題点は胞子されたまま。その先に待っているのは倒産です。

会社の健康管理には、知りたくない現実を、いち早くしることができるのが管理会計が大切です。異常を知るポイントは時系列で見ることです。

一回の数値だけを見ても分かりません。異常値かどうかは定期的にみてはじめてわかる。血圧みたいなもの。時系列で確認。

グラフの凸凹は何かが起きた証拠

時系列で見るには、数字をグラフに直してみるとわかりやすい。おすすめなのが年計です。

年計とは、その月から直近の1年間の数字をまとめた数字のこと。1月の年計なら前年の2月から今年の1月まで、2月の年計なら前年の3月から今年の2月までを合計した数字になります。

1ヶ月ずつずらしながら年次の決算をしていけると考えればイメージしやすいでしょう。

年計は、1年間の数字のトータルです。年計には、売上の多い月と少ない月、良いシーズンと悪いシーズンが含まれてるので、季節変動の影響は受けません。

それでいて毎月の最新の数字が出るから、年次と違ってタイムリーな数字がわかります。年計はいいとこどりの集計方法です。

凸凹のあるところでは、必ず何かが起きています。説明した部分は意図的にアクションを起こしたから凸凹になりますが、社長が意図せずに凸凹ができることもあります。いったい何が起きていたのかを探ることができます

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