人の世に身を処し、正しく歩むためには、まず論語を深く読むこと。
○人の世に処せんとして道を誤まらざらんとするには、まず論語を熟読せよ 渋沢 栄一. 論語と算盤
利害や浮利に翻弄される日々のなか、論語は心の支柱となり、判断を誤らぬ道を示す。
一時の勝ち負けに執着すれば、志は失われ、信義も崩れる。
論語は古びた言葉にあらず。現代にあっても、人としての根本を教える書である。
道を踏み外さず、世に貢献し、己を高めるための教えが、そこにある。
読むだけで終わらせず、言葉を血肉とし、日々の行いに映す。
心を養い、世を渡る力を得るとは、すなわち論語を生きることにほかならぬ。
論語には、自己を修めるための日常の教訓が書かれている。もっとも欠点の少ない教訓であり、商売に生かし、利殖を図ることが大切である。
論語の教えは、もともと世の中すべての人にとって役に立つものであり、決して難解なものではない。ところが、学者たちがそれをやたらと難しく解釈し、あたかも農民や商人、職人などには縁のない教えであるかのようにしてしまった。その結果、論語は学問のある者だけのものであり、商人や農民が手に取るべきものではないという誤った風潮が広まった。
しかし、これは大きな間違いである。本来、論語の教えは身分や職業を問わず、すべての人の人生に光を与えるものであり、誰もが触れるべき内容なのだ。
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