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努力と克己の島を築け。激流に流されぬために


■ 引用原文(日本語訳)

聡明な人は、奮い立ち、努めはげみ、自制、克己によって、(よるべとしての)島をつくる。
激流もそれをおし流すことができない。

――『ダンマパダ』第四章「はげみ」第5節


■ 逐語訳(一文ずつ現代語訳)

  1. 聡明な人は奮い立ち、努力を重ね、
     目覚めた者は怠らず、勇気と意志をもって積極的に立ち向かい、
  2. 自制と克己によって、内なる「島」を築く。
     欲望や衝動を制御し、内面に揺るがぬ拠り所を築く。
  3. その島は、いかなる激流(世間の変化・煩悩)にも押し流されることはない。
     世の中の混乱や外部の困難にも決して動じない、堅固な精神の拠点である。

■ 用語解説

用語解説
聡明な人(パンディタ)知識だけでなく、正しく実践する智慧を持つ者。
奮い立つ(ウッターナ)心を高め、積極的に精進の道に向かう姿勢。
自制(サンヤマ)感情や衝動に支配されず、理性で節度を保つこと。
克己(タパ)自らを律し、苦しみや快楽を超える精神修養。
島(ディーパ)ここでは、外的な支えではなく、自己の中に築かれた「安定の拠り所」や「精神の砦」を意味する。
激流(オーガ)煩悩、困難、欲望、世の無常など、精神を脅かす外的な動き。

■ 全体の現代語訳(まとめ)

聡明な人は、自らを奮い立たせ、努力と克己によって、自身の内に揺るがぬ拠り所(精神の島)を築く。
その島は、人生の荒波や世俗の激流に襲われても流されることなく、安定と力の源となる。
それは他人に与えられるものではなく、自分の修養と実践によって築かれる唯一の避難所である。


■ 解釈と現代的意義

この節は、「心の中に不動の基盤を築け」と教えます。
現代社会は変化に満ち、外部環境に翻弄されやすい時代です。そんな中、自らの努力・自律・精神力によって築いた内的拠点こそが、人生における真の安定をもたらします。
他人や環境に依存するのではなく、自分自身をよるべとする「精神的自立」の教えです。


■ ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
セルフリーダーシップ自らの信念に基づいて行動する人は、混乱の中でも冷静で、周囲を導く力を持つ。
自己管理・自己規律感情や衝動に振り回されず、計画的に行動を続ける人は、安定した成果を出し続ける。
変化への強さ急激な市場変化や業務環境の激流の中でも、自律的な人はぶれずに前進できる。
レジリエンス(精神的回復力)心の島=精神的支えを築いておけば、困難や失敗に直面しても立ち直る力が高まる。

■ 心得まとめ

「他に依らず、自らをよるべとせよ。努力と克己は、流されぬ島を築く。」

誰かが守ってくれる時代は終わりました。
真の安定とは、外に求めるものではなく、内に築くもの。
意志をもって励み、自制し、己を律したとき、
あなたの心には、どんな激流にも流されない「揺るがぬ島」が生まれるのです。


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