製造間接費は、特定の製造指図書に直接紐づけられないため、配賦基準を用いて各製造指図書に振り分けます。以下の手順で配賦額を計算します。
目次
1. 配賦計算の手順
(1) 配賦率の計算
配賦率は、製造間接費の実際発生額を配賦基準の合計で割って求めます。
(2) 各製造指図書の配賦額の計算
各製造指図書の配賦額は、配賦率に製造指図書ごとの配賦基準数値を掛けて求めます。
2. 配賦計算例
資料
- 製造間接費の実際発生額: 4,000円
- 配賦基準: 直接作業時間
- No1: 20時間
- No2: 15時間
- No3: 5時間
(1) 配賦基準の合計
配賦基準数値の合計=20+15+5=40 時間
(2) 配賦率の計算
配賦率=4,00040=100 円
(3) 各製造指図書の配賦額
- No1: 100×20=2,000 円
- No2: 100×15=1,500 円
- No3: 100×5=500 円
3. 原価計算表への記入
項目 | No1 | No2 | No3 | 合計 |
---|---|---|---|---|
直接作業時間 | 20時間 | 15時間 | 5時間 | 40時間 |
配賦額 | 2,000円 | 1,500円 | 500円 | 4,000円 |
4. ポイント
配賦基準の選定
配賦基準は、直接作業時間や直接労務費など、製造活動と比例関係がある指標を使用します。
配賦率の正確性
実際発生額と基準数値の合計を正確に計算することで、適切な配賦が可能になります。
計算の応用性
配賦基準が異なる場合(例: 直接労務費など)、基準数値を置き換えて同様に計算できます。
この方法により、製造間接費を適切に配分し、製造原価の正確な算定が可能です。
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