人の過ちを正そうとする時は、厳しすぎないことが大切である。
相手の心がそれを受け入れられるかどうかを、まず考えるべきだ。
また、善い行いを教える時にも、理想だけを高く掲げてはならない。
実際にその人が実行できる範囲に応じて導いていくのが本当の教えである。
忠告や指導は、正しさ以上に、相手への思いやりと配慮が問われる。
それがあってこそ、善意が伝わり、実を結ぶ。
「人(ひと)の悪(あく)を攻(せ)むるは、太(はなは)だ厳(きび)なること毋(なか)れ。
その受(う)くるに堪(た)えんことを思(おも)うを要(よう)す。
人を教(おし)うるに善(ぜん)を以(も)てするは、高(たか)きに過(す)ぐること毋かれ、
当(まさ)に其(そ)れをして従(したが)うべからしむべし。」
注釈:
- 攻むるは太だ厳なること毋かれ…他人の過ちを指摘する際は、過度に厳しくせず、やわらかさを持つこと。
- 堪えんことを思う…相手がその忠告に耐えられるか、受け入れられるかを考慮する。
- 高きに過ぐること毋かれ…理想や教訓を高すぎる目標にしてしまうと、かえって実行されないことへの注意。
- 従うべからしむべし…実行可能な現実的な道を示し、行動につなげることが大切。
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