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立場に応じて諫める、仕組みで支える忠義の道


目次

一、現代語訳(要約)

主君に誤りがあるとき、それを正さねばならない。
しかし自分がそれを直接進言できる地位にないならば、しかるべき立場にある者に託してでも主君を正すよう働きかけるのが、真の忠義である。

そのためには、普段から上役や側近と良好な人間関係を築いておくことが肝要だ。
もしそれを自分の立身出世のために行うのなら、それは単なる追従だが、
「自分はこの家を支える者だ」という気持ちから行えば、それは忠義の行動であり、真に意味を持つのである。
このように考えて行えば、自然とうまくいくものだ。


二、要点と教訓

観点内容
諫言の本質自分で直接言えないときは、言える立場にある者を通じて伝える
普段の備えそのために、平素から上役と信頼関係を築くことが不可欠
忠義と追従の違い自分の出世のためなら追従、組織全体のためなら忠義
覚悟と主体性「我等荷なひ申す心入(=自分がこの家を背負うという覚悟)」こそが大義の根拠である。

三、現代的意義とビジネスへの応用

✅「組織を正す仕組みと関係構築」

現代の組織においても、以下のような応用が可能です。

ビジネス状況応用教訓
経営層の判断ミスに気づいた直属で言えないなら、信頼できる中間管理職やメンターを通じて是正を促すルートをつくる
普段からの関係構築組織のために、上司・役員・別部門との関係を利己ではなく利他の視点で構築すること。
忠誠 vs 追従の分かれ目「自分のためか」「会社全体・顧客のためか」が、行動の正当性を決める基準
心理的安全性の文化このような“諫言ルート”を制度やカルチャーとして確保することで、組織の劣化を防ぐ。

四、まとめ:心得としての一文

「諫言は立場の問題ではなく、覚悟の問題である。進言できぬなら、言える者に託せ。 そのための関係づくりを、常に利他の心で行え。」

この教訓は、組織における“健全なチェック機能”と“信頼資本の形成”の重要性を説いたものです。
上司への進言が困難な場面でも、「ルート」と「人間関係」が備わっていれば、組織は誤りを正すことができます。

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