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心が定まらなくても、行動によって道は拓ける

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■引用原文(日本語訳)

「もし常修にも能力を欠くなら、私のための行為に専念せよ。私のために行為をしても、あなたは成就に達するであろう。」
(『バガヴァッド・ギーター』第12章 第10節)

■逐語訳

もしあなたが、継続的な修行(アビヤーサ)を行う力さえも持たないならば――
私(神)のために行動することに専念しなさい。
私のために行為をするならば、
あなたは(精神的)成就に到達するであろう。

■用語解説

  • 常修(アビヤーサ):瞑想・精神集中の継続的な訓練。前節に登場した“繰り返しの修行”のこと。
  • 能力を欠く(アシャクタハ):実践の力が不足している、または現実的に実行が難しいこと。
  • 私のための行為(マッド・カルマ・パラマハ):神や理念、あるいは大いなる目的のために行動すること。結果を求めず「奉仕」としての行動。
  • 成就(シッディム・アーヴァプシヤシ):精神的な完成、到達。悟り、あるいは内面的な達成。

■全体の現代語訳(まとめ)

たとえ集中の修行や瞑想の習慣が難しくても、せめて“神のために”行動すること――それができれば、あなたは十分に成就へと至る道を歩んでいると、クリシュナは語る。

■解釈と現代的意義

ギーターは、この12章で非常に現実的で段階的なアプローチを示しています。
この節はその第3段階――「心の集中 → 瞑想の習慣 → 行動」へと階段を下りてきています。

ここでは、「精神が追いつかないときは、とにかく“意味のある行動”から始めなさい」という、非常に力強く実践的な提案がなされています。
精神的に未熟でも、心が乱れていても、「誰かのため、理想のため」に動き続ける人は、やがて自らの内面も磨かれていく――これは現代においても極めて重要な示唆です。

■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
仕事の目的意識自分のためではなく、「お客様のため」「社会のため」に動くとき、行動に力と意義が宿る。
成長のアプローチメンタルが安定しないときでも、まず“やるべき仕事を誠実にやる”という実践が、成長への道を拓く。
チームビルディング理念に共感できない段階の人でも、「まず行動から入る」ことで理解が深まり、共鳴が生まれる。

■心得まとめ

「心が揺らぐときこそ、誠実な行動を選べ」
心が整っていなくても、行動によって心は整っていく。
理念や理想に心が届かないと感じたときでも、「そのために働く」ことで、やがて魂が追いついてくる。
ギーターは、私たちに“行動すること”そのものの尊さを教えてくれる――特に、目的意識をもった行動の中に、救いと成長があるのだと。

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