MENU

自分も他人も、常に整っているわけではない——だからこそ、思いやりと理解が大切

人生には、順調なときもあれば、不調なときもある。
心にもまた、穏やかなときもあれば、乱れてしまうときもある。
それなのに、どうして自分の人生だけが、常に好条件であることを願い続けられようか?
どうして他人ばかりに、自分の都合のよい態度を取り続けてほしいと望めようか?

自分の浮き沈みを認めることができれば、他人の不完全さにも寛容になれる。
人生も人も、「いつも完璧」を求めるのではなく、互いの不揃いを受け入れて、対処していく。
その心構えこそが、心を整え、調和の中で生きる智慧となる。


原文とふりがな付き引用

人(ひと)の際遇(さいぐう)は、斉(ととの)うる有(あ)り、斉(ととの)わざる有(あ)り、而(しか)して能(よ)く己(おのれ)をして独(ひと)り斉(ととの)わしめんや。
己(おのれ)の情理(じょうり)は、順(じゅん)なる有(あ)り、順(じゅん)ならざる有(あ)り、而(しか)して能(よ)く人(ひと)をして皆(みな)順(じゅん)ならしめんや。
此(こ)れを以(もっ)て相(あい)観(み)し対治(たいじ)せば、亦(また)是(こ)れ一(いち)の方便(ほうべん)の法門(ほうもん)なり。


注釈(簡潔に)

  • 際遇(さいぐう):身の上、境遇。自分の置かれた状況。
  • 斉し(ととのう):整っている、そろっている状態。完璧に近い意味。
  • 情理(じょうり):心の働き、気分や論理。感情と理性の両面。
  • 相観し対治する:自分の状態と他人の状態を見比べ、相互に理解して対処する。
  • 方便の法門(ほうべんのほうもん):仏教における「真理に至るための手段」。ここでは「人生を調える智慧」の意味。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次