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放逸を捨てて、真の歓喜を得よ


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■引用原文(日本語訳)

放逸に耽るな。愛欲と歓楽に親しむな。おこたることなく思念をこらす者は、大いなる楽しみを得る。
(『ダンマパダ』第2章「はげみ」第27偈)


■逐語訳

  • 放逸に沈みきってはならない。
  • 愛欲と世俗的な快楽に耽ってはならない。
  • 怠けることなく、正しく思念(気づき・マインドフルネス)を集中させる者は、
  • 最も大きな歓喜(精神的な至福)を得る。

■用語解説

  • 放逸(パマーダ):怠惰、注意散漫、自堕落な生き方。仏教においては修行を損なう最大の障害とされる。
  • 愛欲(カーマ):五感による欲望(物欲・性欲など)を意味し、執着の根源とされる。
  • 歓楽(ナンディ):快楽的な気持ちへの耽溺、娯楽や一時的な喜び。
  • 思念をこらす(サティン・アローカイ):マインドフルネス(正念)を保ち、集中すること。自己観察を通じて真理を見出す。
  • 大いなる楽しみ(マハー・スッカ):煩悩を離れた深い精神的安らぎ。世俗的快楽を超える至福の境地。

■全体の現代語訳(まとめ)

怠惰な生活に身を沈め、愛欲や世間的な快楽に耽ることなく、常に心を引き締め、意識的に生きる者――そうした人こそが、俗世を超えた「本当の喜び」「深い安らぎ」に到達するのだと説かれています。


■解釈と現代的意義

この偈は、**「楽しみの質の違い」**を私たちに教えてくれます。
感覚的な快楽(グルメ、娯楽、浪費など)は一時的な満足にすぎませんが、集中し努力を重ね、自己を制した末に得られる歓喜は、深く持続的な「心の栄養」となります。

現代社会では誘惑に満ちた「即時的快楽」が溢れていますが、この偈はそうしたものに流されず、自覚的に生きることが真の幸せへの道であると諭しているのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
自制と判断力目先の誘惑(休み・快楽・手抜き)に流されず、長期的価値を見据えられる人物が結果を出す。
ワークモラル日々の細かな気の緩み(放逸)が、プロフェッショナリズムを蝕む。集中し続けることが質を高める。
成果の本質“やり切った”という充足感こそが、金銭的報酬より深く満たす真の「大いなる楽しみ」である。
組織文化快楽主義ではなく、「集中・努力・節度」を評価軸とする企業は持続的成長を遂げやすい。

■心得まとめ

「安きに流れず、心を照らして生きよ」

真の楽しみは、快楽に溺れる先にはありません。
心を制し、怠けず、思慮深く生きる――その姿勢の中にこそ、誰にも奪えぬ“深い喜び”が宿ります。
喜びを外に求めず、内に築く――それが人生を変える「智慧ある喜びの選択」です。


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