目次
■原文
これら三種の要素からなる状態により、この全世界は迷わされ、これらよりも高く、不変である私を理解しない。
(第7章・第13節)
■書き下し文
これら三種の性より成る状態によって、この全世界は迷わされ、これらよりも高き、不変なる我を理解せず。
■現代語訳(逐語/一文ずつ)
- これら三種の要素からなる状態により、この全世界は迷わされ、
→ サットヴァ(純性)、ラジャス(激性)、タマス(暗性)の三つの性質によって、世界の人々は惑わされている。 - これらよりも高く、不変である私を理解しない。
→ そして、人々はこの三性を超えた、変わることなき真の私(至高者)を理解しようとしない。
■用語解説
- 三種の要素(三グナ):自然を構成する三つの性質(純質・激質・暗質)。
- 迷わされる(モーヒタ):妄想・無明によって本質を見失う状態。
- 不変なる我(アヴィヤヤ・アートマン):変化に支配されない至高の自己=クリシュナ(神)。
■全体の現代語訳(まとめ)
世界の人々は、純性・激性・暗性という三つの性質に翻弄され、それを超えた永遠不変の真理である私(至高者)を見ようとしない。
■解釈と現代的意義
人間はしばしば本質(真理)を見ず、表面的な性質(性格・状況・環境)に惑わされている。本質への到達には、三性の影響を超越する必要がある。
■ビジネスにおける解釈と適用
- 表層にとらわれず、本質を観る力を
→ 売上や感情などの「三性的な現象」に惑わされず、本質的な目的や価値を見据えることが重要。 - 意思決定における客観性の確保
→ 混乱(タマス)や焦燥(ラジャス)に陥らず、冷静(サットヴァ)に状況を把握するリーダーシップが必要。 - 変化の中の不変を探せ
→ 組織が揺らぐ時こそ、変わらない信念や理念(=「不変の我」)に立ち返ることが求められる。
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