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真理を説く一言は、百年の祈りを超える


目次

📜 引用原文(日本語訳)

第二四章 二七・二八
(訳文は二六に同じ:)
たとい百年のあいだ毎月千回ずつ祭祀を営む人がいても、
その功徳は、生きとし生けるものどもを憐れむ(功徳)の十六分の一にも及ばない。

第二四章 二九
たとい百年のあいだ毎月千回ずつ祭祀を営む人がいても、
その功徳は、真理をよく説いた人(の功徳)の十六分の一にも及ばない。
——『ダンマパダ』


🔍 逐語訳(意訳)

もし誰かが百年の間、月に千回も祭祀を続けたとしても、
真理(ダルマ)を人に向けて、分かりやすく、誠実に語った者の功徳には及ばない。


📘 用語解説

用語解説
祭祀(さいし)古代インドにおける火神への供物など、儀式的な形式の修行。ここでは外面的な功徳の象徴。
真理(ダルマ)仏教における普遍的な法則・教え・道理。宇宙と人間のあり方を示す指針。
説いた人自ら実践するだけでなく、その真理を他者に「伝える」「教える」役割を担う人。

💬 全体の現代語訳(まとめ)

たとえ百年間、月に千回の祭祀を営んだとしても、
人々に真理を正しく伝え導いた者の功徳の十六分の一にも及ばない。
知識や信仰を独占するのではなく、それを「分かち合うこと」の偉大さを説いている。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、「ただ自分だけが善を積む」のではなく、他者の目を開く言葉を紡ぐ者の尊さを説いています。
つまり、知の伝道者、道を照らす灯火となる人の価値は、百の行為にも勝るということです。

教育者、リーダー、指導者、メンター……こうした存在の役割の核心がここにあります。
行為以上に、“伝える勇気と責任”が尊ばれる世界観です。


💼 ビジネスにおける解釈と応用

観点実務での応用例
リーダーシップ結果を出すだけでなく、その知見を後進に伝える人が、本当のリーダーである。
教育・育成スキルを教え、視野を広げ、道を示すことが、最も深い組織貢献となる。
ナレッジシェア「属人化」を防ぎ、仕組みとして知を共有する文化がある企業は強い。
発信・啓蒙社会的テーマ(SDGs、倫理、哲学)を語る力を持つ人や企業は、広い信頼と共感を得る。

✅ 心得まとめ

「語ることで、道は照らされる」
祭祀のような形式的な行為をいくら積んでも、
人に真理を伝え、共に歩む者の功徳には及ばない。
学びを得た者は、それを語り、他者の道しるべとなる使命を持つ。
知の実践者から、知の案内人へ――それが真の貢献である。


この偈で「感興のことば」第二四章の功徳比較の流れは一つの頂点を迎えます。

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