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心で感覚を制し、執着なく行動する者が、真に優れた行者である


目次

📜 引用原文(日本語訳)

「しかし、思考器官により感官を制御し、
執着なく、運動器官により行為のヨーガを企てる人、
彼はより優れている。」
(『バガヴァッド・ギーター』第3章 第7節)


🔍 逐語訳

「しかし、心(マナス)によって感覚器官を制し、
一切の執着なくして、身体の運動器官によって行為のヨーガを行う者――
その人こそ、他よりも優れている。」


🧩 用語解説

  • 思考器官(マナス):意識・思念をつかさどる心のはたらき。感情や欲望を生む源でもある。
  • 感官(インドリヤ):五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を通じて外界に反応する感覚器官。
  • 運動器官(カルマインドリヤ):身体的に動作をするための器官(手・足・発声など)。
  • 行為のヨーガ(カルマ・ヨーガ):執着なく義務として行為を行う態度・実践。
  • より優れている(ヴィシャイシャテ):霊的成熟度、調和、実践力において勝ること。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナはここで、真に優れた行者(ヨーギン)の条件を示しています。
単に行動を抑えるのではなく、まず心によって感覚を制御し、結果に執着せず、義務として行動する人こそが優れているとされます。
外見の制御ではなく、内面の制御と執着のなさが、真の成熟を生むのです。


💡 解釈と現代的意義

この節は「外見より内面」「放棄より実践」「執着より誠実」を重視するギーターの根幹思想を表します。
たとえば、静かに座っていても欲望にとらわれている人よりも、感情を抑えつつ、執着なく誠実に行為する人のほうが、霊的にも倫理的にも優れているという逆説が説かれます。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
セルフマネジメント感情や欲望に流されず、冷静に状況を捉え、自律的に動ける人は、信頼されるリーダーとなる。
本質的な成果志向結果や報酬に執着せず、「やるべきことを誠実にやる」姿勢が、長期的な成果をもたらす。
現場の行動力表面的なポーズや理想論ではなく、実際に手を動かして行動する人が、組織を動かし変革を生む。
バランスの取れたリーダーシップ感情を抑え、状況を冷静に観察し、冷静に行動する人物は、メンバーからの安心感と尊敬を得る。

🧠 心得まとめ

「真の力とは、心で感覚を制し、執着なく行動する姿に宿る」

ただ感情や欲望を抑えるだけでは不十分。
また、ただ行動するだけでも不十分。
心を整え、執着を手放しながらも、やるべきことを淡々と行う人こそが、真のヨーギンであり、真の実践者である。
現代のビジネスにおいても、冷静な内面と粘り強い行動力の両立こそが、成熟と信頼を築く鍵です。

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