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変わらぬ本質こそ、真の帰るべき場所


■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「その非顕現の存在は不滅と言われる。最高の帰趨と言われる。人々はそれに達すれば、回帰することはない。それは私の最高の住処である。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章第21節


■逐語訳

その非顕現なるものは、不滅(ナシャーラ)であると言われている。
それは「最高の帰趨(パラーム・ガティ)」と呼ばれている。
それに到達した人々は、再びこの世界に回帰することはない。
それは、私(神)の最高の在り処(ダーーマ)である。


■用語解説

  • 非顕現(アヴィヤクタ):目に見えない究極の存在。現象世界の背後にある真理そのもの。
  • 不滅(アクシャラ):決して壊れず、変わることのない永遠の存在。
  • 帰趨(きすう):最終的に帰着する場所、到達すべき究極の目標。
  • 回帰しない(アナーヴリッティ):輪廻(サンサーラ)からの解脱。到達した者は再び生まれ変わらない。
  • 私の最高の住処(ママ・パラム・ダーーマ):神クリシュナが自身の本質として示す、永遠で至高の状態。

■全体の現代語訳(まとめ)

目に見えない非顕現の存在は、決して消えない不滅のものであり、
すべての魂が最終的に帰るべき最高の目的地である。
そこに達した者は、もはや再び生まれ変わることはない。
それこそが、神の本質的な在り処、究極の境地なのである。


■解釈と現代的意義

この節は、「人間の究極の目的地は、形ある世界ではなく、形を超えた不滅の実在である」ことを明言しています。
私たちが求めてやまない「安心」「幸福」「永続」は、外の世界ではなく、内なる不滅の本質にこそあるという示唆です。

現代社会では、キャリアや財産、地位を「最終目標」と錯覚しがちですが、それらはすべて「顕現=一時的な現象」に過ぎません。
本当に求めるべき「帰る場所(本来の自分)」を見誤らないことが、精神の自由と解放につながるのです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
経営の本質利益や成長を超えて、「何のために存在するか」という企業の不変のミッションが“最高の帰趨”となる。
個人の軸の確立他人の評価や成果に揺れ動くことなく、自分の内なる理念や信念に立脚することで、揺るぎない生き方ができる。
組織文化の構築社員全員が共有する“変わらない価値観”があると、変化や困難に直面してもぶれない文化となる。

■心得まとめ

「本当に帰るべき場所は、外にはなく、変わらぬ本質の中にある」

成功や評価を追い求める人生もまた輪廻の一部である。
それを超えて、「何者でもなく、ただ在る」という境地に気づいたとき、
人は真の自由と充足に至る。
企業も人も、変わらぬ本質を見つけ、それに帰り続けることが持続と成長の鍵である。


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