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心を慎む者、苦悩なき境地へ至る


目次

📜引用文(第七章 第九)


聖者は実にひとを傷つけることなく、
心についてつねに慎しんでいる。
かれらは不死の境地におもむき、そこに至れば悩むことがない。


🔍逐語訳

  • ひとを傷つけることなく:行為・言葉だけでなく、心の中でさえも他者を害そうとする思いを持たないこと
  • 心についてつねに慎しんでいる:怒り・妬み・慢心・軽蔑などの思いに気づき、制御し、慈悲と平静を保ち続けること。
  • 不死の境地におもむく:生死や煩悩の苦を超えた悟り(涅槃)に向かって進んでいること。
  • そこに至れば悩むことがない:心の悩み・葛藤・恐れ・後悔などから完全に自由であること。

🧩用語解説

  • 意業(心の行い):仏教において最も微細かつ強力な業(行為)。意図・思念・感情が未来の行動・運命を左右する。
  • 不殺生(アヒンサー):外面的な非暴力のみならず、心の中でさえも「害意」を持たないことまで含む。
  • 正念(しょうねん):心の動きに気づき、それを正しく観察・制御し続ける力。

🧘‍♂️全体現代語訳(まとめ)

聖なる者は、他人を傷つけることなく、心の中においても常に慎みと清らかさを保っている。そうした者は、生死を超えた「不死の境地」へと進み、そこに至れば、もはや悩みや迷いに囚われることはない。


📖解釈と現代的意義

心は、目に見えないからこそ最も厄介で、そして最も大切です。
たとえ行動や言葉に表れていなくとも、心の中に怒りや嫉妬、敵意が渦巻いていれば、それは確実に言動ににじみ出てしまいます。

この教えは、「行動や発言の前に、まず心を整えなさい」と諭します。
心の慎みこそが、真の人格をつくり、永続する安らぎへの鍵となるのです。


💼ビジネスにおける応用

視点適用例
セルフリーダーシップ他人の言動に心を乱されず、穏やかで健全な感情を保てる人は、チーム内でも軸がぶれない。
アンガーマネジメント怒りや苛立ちの感情が生じたときに、それに流されず冷静に対処できる人は、信頼を集める。
エモーショナル・インテリジェンス(EQ)自分と他者の感情に敏感で、共感と自己調整ができる能力は、現代のリーダーシップに不可欠。
持続可能な働き方「燃え尽き」やストレス過多にならないよう、感情と意識を日々観察する習慣を持つことが鍵となる。

🧭心得まとめ(座右の銘風)

「心の静けさが、真の安らぎを生む」
目に見えぬ心の中にこそ、人生の本質はある。
怒りに流されず、妬みに染まらず、
思いやりと慎みの心を育てよう。
それが、悩みなき人生への道標となる。


この第九節で、「身・口・意」のそれぞれにおける慎みが完全に語られ、すべてが**「不死の境地」=悟り・涅槃**へとつながる因であることが三段階で強調されました。

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