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引用原文(日本語訳)
私は可滅のものを超越して、
不滅のものよりも至高であるから、
世間においても、ヴェーダにおいても、
至高のプルシャであると知られている。
(『バガヴァッド・ギーター』第15章 第18節)
逐語訳
私は、可滅の存在(変化するもの)を超え、
不滅の存在(変化しない魂)をも超えている。
それゆえ、世間においても、ヴェーダ(聖典)においても、
私は「至高のプルシャ(プルショーッタマ)」として知られている。
用語解説
用語 | 意味 |
---|---|
可滅のもの | 肉体、物質、感覚、現象的世界など、時間と共に変化・消滅するもの。 |
不滅のもの | 真我(アートマン)や魂(ジーヴァ)。不変の存在。 |
至高のプルシャ(プルショーッタマ) | あらゆる存在の根源であり、超越しつつもすべてを内に含む、神そのもの。 |
世間において | 人々の伝統・信仰・宗教的理解の中で。 |
ヴェーダにおいて | 聖典の教義・哲理・探求の中で。 |
全体現代語訳(まとめ)
私は、変化して滅びゆくものを超え、
また、変わらない存在(魂)すらも超えた、
究極の存在である。
だからこそ、世の中でも、聖典においても、
私は「至高の存在」として認識されている。
解釈と現代的意義
この節は、可滅(変わるもの)・不滅(変わらぬもの)という二元の彼岸に、さらに超越的な「根源」が存在するという深い霊的洞察を示しています。
つまり、目に見える成果や経験(可滅)に振り回されず、
たとえ精神的な自己認識(不滅)に達しても、
そのさらに上にある「全体を貫く存在=至高の価値原理」を見つめよ、という呼びかけです。
ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 適用例 |
---|---|
相対価値を超えた絶対価値の認識 | 価格・地位・短期成果といった相対的価値を超えて、真の価値基準(理念・人間性・公共性)を見極める経営視点。 |
二元論を超える判断 | 善悪、成功・失敗、有無のような二項対立に囚われず、「本質的に意味あるかどうか」で判断する力。 |
信頼の源を明確にする | なぜその判断をするのか、なぜそれが正しいのかという「根拠」を、外部基準や感情ではなく、内部の絶対的軸に求める。 |
リーダーとしての超越性 | 組織やチームを導く者は、現場(可滅)と価値観(不滅)の両方を理解し、それを統合する「第三の視点=至高性」を持つべきである。 |
心得まとめ
「可滅を超え、不滅をも超える“絶対”に立脚せよ」
世の中には、変わるものと、変わらないものがある。
だが、そのどちらにも支配されない「根源的な力」こそが、
すべてを正しく導く真の座標軸となる。
それを知るとき、
判断は深くなり、行動は静まり、
人生もビジネスも、揺るがぬものになる。
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