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交わりは、心を映す鏡である


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■引用原文(日本語訳)

三*
悪い友と交るな。卑しい人と交るな。善い友と交われ。尊い人と交れ。
――『ダンマパダ』


■逐語訳(意訳を含む)

  • 悪しき友と交わることなかれ。
  • 品性の卑しい者と親しくすることなかれ。
  • 善き友と交われ。
  • 尊き人と交われ。

これは単に人間関係のアドバイスではなく、自己修養・生き方の根幹に関わる指針である。


■用語解説

  • 悪い友(パーパ・ミットラ):不誠実、貪欲、裏切り、嫉妬など、心を乱す資質を持つ人物。
  • 卑しい人(ニーチャ・プルシャ):利己的、品位に欠け、倫理や思いやりを持たない人。
  • 善い友(スカ・ミットラ):徳を持ち、信頼と成長を与えてくれる存在。
  • 尊い人(アーリヤ・プルシャ):人格高潔にして精神的にも完成された存在。導き手となる人。

■全体の現代語訳(まとめ)

悪友や品性の低い者と関わると、自分自身も同じ性質に染まりやすくなる。だからこそ、知恵ある者は、人間性が高く、正しく清らかな人々との関係を築くべきである。誰と交わるかは、その人がどこへ向かうかを決める羅針盤なのだ。


■解釈と現代的意義

この章句は、仏教の「縁起(えんぎ)」の思想――すなわち、私たちの存在は常に周囲との関係によって成り立つという考え方――に基づいています。
人生の質は、環境と人間関係によって大きく左右されます。だからこそ、自己を高めるためにはまず「誰と交わるか」を見極める必要があります。

これは現代においても極めて重要な教えです。交友関係の選択は、単なる好みの問題ではなく、自己形成そのものの根幹にかかわるからです。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
取引先・パートナー選定短期的な利益よりも、倫理や信頼性を重視した相手と手を組むべきである。
チーム構築問題を起こす可能性のある人物や、悪影響を与える人物は、組織全体の健全性を損なうため避ける判断が求められる。
キャリア選択どんな職場で、どんな人々と働くかが、スキル以上に人格形成や価値観に大きな影響を与える。
自己管理成長のためには、自分を律し高める人たちと時間を共有することが不可欠である。悪影響を遠ざける勇気も必要。

■心得まとめ(感興のことば)

「人を選ぶとは、己を選ぶことである」
悪しき人との交わりは、自分の心を濁らせ、道を曇らせる。
善き人、尊き人と交わることは、己を照らす光とともに歩むこと。
人間関係とは、ただのつながりではなく、魂の選択である。


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