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揺るがぬ意志で、淡々と果たす者こそ真の実践者


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■引用原文(日本語訳)

「執着を離れ、自己を誇らず、堅固さと気力をそなえ、成功不成功に動じない者は、純質的な行為者と言われる。」
(バガヴァッド・ギーター 第18章 第26節)


■逐語訳

行為者が、
・行為の結果に対する**執着(アースティ)を離れ、
・「自分がやった」という
自負(アハンカーラ)**を持たず、
揺るがぬ意志(ドリティ)と熱意・気力(ウツサーハ)を備え、
・成功にも失敗にも動じないならば、
その人は純質的(サットヴァ)な行為者
であるとされる。


■用語解説

  • 執着(アースティ):結果への欲、手柄への固執。
  • 自己を誇らず(アナハンカーリ):自我を振りかざさず、謙虚であること。
  • 堅固さ(ドリティ):忍耐力・継続力・精神的安定性。
  • 気力(ウツサーハ):意欲・積極性・前向きなエネルギー。
  • 成功不成功に動じない:結果によって心が浮き沈みせず、態度が変わらない安定した姿勢。

■全体の現代語訳(まとめ)

行為者が、
結果に縛られず、成果を誇示せず、忍耐強く努力を継続し、
成功しても驕らず、失敗しても落胆しないならば、
その人は清らかな性質(サットヴァ)を備えた行動人であり、
高い精神的成熟を持っているとされる。


■解釈と現代的意義

この節は、「行為者としての理想像」を明示しています。
単に行動できること以上に、内面的な安定と謙虚さ、そして粘り強さを備えた人物こそが、真に成熟した実行者なのです。
成功への欲望や失敗への恐れに左右されることなく、冷静に、継続的に、誠実に果たしていく姿勢が、長く信頼される基盤になります。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点実務での適用例
リーダーシップチームが混乱しても冷静に対処し、自らの功績を誇らず、部下の力を引き出す人はサットヴァ的リーダー。
プロジェクト遂行結果に一喜一憂せず、粘り強く過程を大切にしながら進める人は、信頼され成果を出しやすい。
自己管理成功しても驕らず、失敗しても腐らず、やるべきことに静かに向き合える人は、内的成熟を体現している。
継続力結果ではなく「なすべきこと」に集中する姿勢が、真のプロフェッショナリズムにつながる。

■心得まとめ

「結果に揺れず、力を尽くす者は、心清き実践者なり」
『ギーター』が示す真の行為者とは、
自慢せず、動揺せず、黙々と務めを果たす者。
その静かな力こそが、成果と信頼、そして魂の解放をもたらす。


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