目次
📜引用文(第七章 第六)
六
身体によって善いことを為し、ことばによっても心によっても善いことをするならば、
その人はこの世でも、またかの世でも幸せを得るであろう。
🔍逐語訳
- 身体によって善いことを為し:行動として善行(奉仕・助け・礼節)を実践すること。
- ことばによっても:語りによって善を成す(励まし・誠実・感謝など)。
- 心によっても:心の内においても善意・慈しみ・思いやりを持つこと。
- この世でも幸せを得る:現実の生活においても、周囲からの信頼や平安、良好な人間関係、安定を得る。
- かの世でも幸せを得る:死後の世界(来世)においても善果が報いられる、という仏教的な因果観。
🧩用語解説
- 三業(さんごう):身・口・意の三種の行為。それぞれが因を生み、果を受けるとされる。
- かの世(来世/後生):死後の世界。仏教では輪廻転生を前提に、善行によって良き再生を得るとされる。
- 幸せ(楽/福徳):物質的な豊かさではなく、心の平安・人間関係の調和・魂の浄化など、広義の幸福。
🧘♂️全体現代語訳(まとめ)
身体で善を行い、言葉でも善を語り、心でも善を思う。そのような人は、現実世界でも人々に好かれ、信頼されて穏やかな暮らしを得られる。そしてその善行は、死後の世界にも続き、永続する幸福へとつながる。善き生き方は、善き未来を連れてくるという確信に満ちた教えである。
📖解釈と現代的意義
この節は、「なぜ善く生きるのか?」という問いに対する明確な答えを与えています。
一時的な得よりも、長期的な幸福と心の充足を選ぶ。周囲との信頼関係、自分自身との和解、そして後悔のない人生。善行とは、こうした人生の根幹を形づくる「自己への最大の投資」でもあるのです。
💼ビジネスにおける応用
視点 | 適用例 |
---|---|
長期的信頼の構築 | 身・口・心で誠実に善意を持って関わる人は、顧客・上司・部下から信頼され、安定したキャリアを築ける。 |
社内文化の浄化 | 自身が善行を徹底することで、チーム全体の風土も前向きに変化する。 |
レピュテーション形成 | 小さな善意を積み重ねることで、「あの人は信頼できる」という社会的評判が形成される。 |
ストレス対策と精神安定 | 善行は自己肯定感を育み、精神的安定と幸福感の向上につながる(心理学でも実証多数)。 |
🧭心得まとめ(座右の銘風)
「善く生きる者は、今も未来も光の中を歩む」
善き行いは、一時の報いではなく、
時を超えて実を結ぶ。
この世でも、かの世でも、
心からの善が、あなたの道を照らし続ける。
これで「身・口・意」の三業の教えと、「それらを捨てること」「善行として用いること」「その果報」としての六つの節が完成しました。
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