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光に向かう者は、帰らぬ旅に出る


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■引用原文(日本語訳)

聖バガヴァットは告げた。
「火、光明、昼、白月、太陽が北に向う六カ月。そこにおいて、逝去したブラフマンを知る人々はブラフマンに達する。」
――『バガヴァッド・ギーター』第8章 第24節


■逐語訳

火(アグニ)、
光(明るさ)、
昼(陽のある時間)、
白月(満ちていく月)、
太陽が北へ向かう六カ月(夏至以後のウッタラーヤナ)――

この時に命を終える、
ブラフマン(絶対者)を知る人々(知識あるヨーギン)は、
帰らぬ旅路へと入り、ブラフマンに到達する。


■用語解説

  • 火・光明・昼・白月・太陽が北に向う六カ月:いずれも「明るさ」「上昇」「吉兆」「神聖な時間帯」を象徴する。特に「ウッタラーヤナ」(太陽が北進する半年間)は、ヴェーダ時代より吉日とされた。
  • ブラフマンを知る人々:形ある世界の背後にある、永遠・不滅・非二元の実在(ブラフマン)を深く理解し、精神修行によってそれに一体化した者。
  • ブラフマンに達する:輪廻から解脱し、もはや現世に回帰しない境地。不滅の存在との合一。

■全体の現代語訳(まとめ)

クリシュナは、特定の「明るい時」「吉兆の時」に逝去することが、輪廻からの完全な解放=ブラフマンへの到達とつながっていると語る。
特に、太陽が北に向かう時期(ウッタラーヤナ)に命を終えるような魂は、もはや戻ってこない。


■解釈と現代的意義

この節は、外的な時間帯(明るい時・吉兆の時)を象徴として、内的な「魂の成熟度」「清明な意識の状態」が解脱の条件となることを暗示しています。
明るい方向へ心が向いている者、浄化された知性と集中を備えた者は、自然に「帰らぬ旅路」に入る準備ができている。
それは、死の瞬間だけでなく、日常の生き方にも応用されるべき真理です。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
行動のタイミング成功しやすいタイミング(準備が整ったとき・周囲が明るく開かれているとき)を見極めて動くことが、成果への道を開く。
心の明るさ苦境の中でも心を「明るさ・前向き」に保つ人は、自然に次のステージに進む。暗さに囚われた心では、未来を切り開けない。
終わりの美学引き際・卒業・退職といった「離れるタイミング」を、明るく整った気持ちで迎える人は、次なる可能性と一体化する。

■心得まとめ

「明るさの中に、旅立ちの道がある」

心を整え、時を見定め、
清明なる意志とともに次の一歩を踏み出せば、
人はもはや過去に戻らず、
新たな境地へと至る。
成功も解脱も、内なる光とともに始まるのだ。


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