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欲に染まらぬ、露のような澄んだ心をもて


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第30偈)

葉の上の露のように、
錐(きり)の尖(さき)に置いた芥子のように、
諸の欲情にいささかも汚されない人――

かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
――『ダンマパダ』第33章 第30偈


🔍 逐語訳(意訳)

蓮の葉の上の露のように、
鋭い錐の先に置かれた芥子のように、
どんな欲望にも触れず、決して染まらない――
そのように純粋な心を持つ者を、
仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 露(つゆ):濡れることなく葉の上に乗る水滴の象徴。無垢で儚く、独立した存在。
  • 錐の尖の芥子:滑り落ちるように不安定な状態。欲望に「触れることすらない」精妙なイメージ。
  • 欲情(カーマ):感覚的な欲求や快楽への執着。六欲・五欲に代表される。
  • 汚されない(アサンリッジャ):内面が少しも染まらず、清らかに保たれている状態。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

欲望の波に巻き込まれず、
まるで葉の上の水滴のように、どこにも濡れず、
錐の先の芥子のように、どこにもとどまらず――
そのように、どんな欲にも、いささかも染まらぬ人を
仏陀は〈バラモン〉と呼んだ。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、「欲望にとらわれない心の精妙さ・軽やかさ」を象徴的に説いています。
欲望そのものを「敵」とせずとも、染まらずにすっと離れていられる態度が理想です。
心を濁すのは、欲そのものではなく、「欲に触れて離れられなくなること」だからです。

この教えは、現代を生きる私たちにも極めて示唆に富んでいます。
情報・モノ・刺激に満ちた社会で、何かを「得ること」「満たすこと」が重視される中、
「何ものにも染まらずに在る」ことの強さと美しさが、ここでは語られているのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
クリーンな判断力利益や私情に引っ張られず、「何が正しいか」で決める姿勢が信頼を生む。
プレッシャー耐性大きな報酬・評価・成功の誘惑に流されず、本質に忠実でいられる人が長期的に成果を残す。
集中力の純度欲望や誘惑に巻き込まれないことで、目的達成に集中できる。
リーダーの無執着リーダーが私欲に染まらない時、組織は健全な方向へと動き出す。

💡 感興のことば:心得まとめ

「濡れぬ露のように、染まらぬ心こそ最も強い」

欲に流されず、快楽に染まらず、
それでもこの世界に立ち、清らかに在る。
仏陀は、そんな微細で澄んだ心を持つ者を〈バラモン〉と呼びました。

執着のなさは弱さではなく、最も強い内的安定なのです。

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