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煩悩が滅びるとき、疑いは消える


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📖 原文(第33章 第80偈)

熱心につとめ瞑想しているバラモンにとって、
これらの徳が現われるとき、
諸の煩悩の消滅に近づくとき、
かれの疑惑はすべて消え失せる。


📘 逐語訳

語句解釈
熱心につとめ瞑想する精進して自己観察に取り組むこと。
バラモン真理に到達しようとする修行者。単なるカーストではない。
徳が現れる慈悲・寛容・無欲・正見などの徳目が育まれること。
煩悩の消滅欲・怒り・無知(貪・瞋・痴)といった精神の汚れが消える状態。
疑惑の消失迷いや不安がなくなり、揺るがぬ確信に至ること。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

修行者がひたむきに瞑想と実践に励んでいると、
彼の中に、やさしさ、慈しみ、無執着などの「徳」が現れてくる。

そして、その徳がしっかりと根づいてくるにつれて、
心を曇らせていた欲望や怒り、無知といった「煩悩」が
しだいに力を失っていく。

煩悩が薄れていくにつれ、彼の心にあった「迷い」や「不安」も
すっかりと消え去ってしまうのである。


🧠 解釈と現代的意義

この偈は、**「内なる徳の育成が、心の迷いを消す」**ということを教えています。

人はしばしば、「なぜ自分は悩むのか」「なぜ自信がもてないのか」と問い悩みます。
それは単に知識が足りないのではなく、心に「煩悩」というフィルターがあるからです。

しかし、慈しみや謙虚さ、寛容さなどの徳を育て、煩悩の力が衰えると、
自然に判断は明晰になり、迷いが晴れていきます。
これは「頭」ではなく「心の透明度」によって得られる確信です。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

領域応用のポイント
リーダーシップ感情に支配されず、徳を中心にした判断基準をもつことで、ブレないリーダーになる。
自己啓発スキルよりも「人間性(徳)」を鍛えることで、迷いや自己不信が減っていく。
チーム運営慈悲・寛容・誠実という徳を共有することで、チームの安定性と信頼が向上する。
マインドフルネス経営煩悩(欲や怒り)に振り回されない心の鍛錬が、長期的な企業価値を創造する。

💡 感興のことば:心得まとめ

「煩悩が静まるとき、真理は姿を現す。」

疑いとは、煩悩が生み出す影にすぎない。
心を整え、徳を育て、煩悩を鎮めれば、
答えは最初からそこにあったことに気づくだろう。


この偈は、先行する第76~79偈と密接に関連し、
「修行→徳の顕現→煩悩・感受・因縁の超越→疑惑の解消」という段階を示しています。

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