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つとめを果たす者は、生老死をも超える


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章 第73偈)

「もしもバラモンが自分のつとめに関して彼岸に達した(=完全になった)ときには、かれは生れと老いと死とを超えるであろう。」
―『ダンマパダ』第33章 第73偈


🔍 逐語訳・用語解説

用語解説
バラモン本来はインドの聖職階級を指すが、本偈では煩悩を断ち、悟りを得た人。
つとめ(業分)自分に与えられた責任、特に精神修行の実践。
彼岸(パーラ)輪廻から解放された境地。ニルヴァーナ(涅槃)。
生・老・死苦しみの根本原因とされる輪廻転生の構成要素。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

もしあるバラモンが、自分に課された修行・実践という務めをやり遂げて「彼岸」――すなわち涅槃に達したなら、
その人は、すでにこの世の生老病死という苦の循環を完全に超えている。
この偈は、真の完成者の姿――「死をも超えた者」――を静かに語っている。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、仏教的な究極の完成が「生・老・死」という根源的な苦をも超えることであると語っています。
「彼岸」とは死後の彼方ではなく、煩悩や執着、苦悩から自由になった“ここ”にある境地。

つまり、「自らのつとめ=自分が成すべきこと」に徹した者は、
もはや恐れや迷い、老いへの不安、死の恐怖に囚われない――という、
普遍的な自由へのメッセージが込められているのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点現代的応用
仕事の本質の理解日々の業務や役割を「果たすべき務め」として捉え、意味と価値を見出すことで、精神的な安定が得られる。
変化や老いへの不安からの脱却キャリアや年齢に関わらず、「自分に今できること」に集中することで、未来への不安を乗り越えられる。
死のような“変化”への対応力「終わり」は恐れるものではなく、「つとめを果たす」ことで自然に超越される――プロジェクトの終了や離職への態度に転用可能。
リーダーの境地真のリーダーとは、役割を超え、時間や評価から自由な判断を下せる人間であるという洞察。

💡 感興のことば:心得まとめ

「なすべきをなした者は、老いも死も怖れない」

多くの人が、変化・老い・終わり――という「不可避」に苦しむ。

だが、それらに抗わず、
今、自分の“つとめ”に心を込めて生きるならば、
人は“死さえも恐れぬ境地”に達する。

本当に恐れるべきは、老いることや死ぬことではなく、
「やるべきことをやらずに人生を終えること」なのだ。


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