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己の務めを究めし者は、悪をも超えて自在なり


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章 第68偈)

「もしもバラモンが自分のつとめに関して彼岸に達した(=完全になった)ときには、かれは独りで魔女や悪鬼をも超えるであろう。」
(『ダンマパダ』第33章 第68偈)


🔍 逐語訳・用語解説

用語解説
バラモンここでは、清浄な行ないと智慧をもって悟りの道を歩む真の修行者を意味する。血統的意味ではない。
自分のつとめ(職分)自らに課せられた道義的・精神的責務、すなわち修行と智慧の実践。
彼岸煩悩と苦しみを超越した悟りの境地(=ニルヴァーナ)。
魔女(ヤッカー)・悪鬼(ラークシャサ)煩悩・恐れ・妨げ・闇の象徴。内面的障害や精神的恐怖を象徴的に表現した存在。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

真のバラモン(=自己修養に努める者)が、自分に課せられた修行と真理の実践という「つとめ」を極め、悟りの境地に至ったとき、
もはや彼は、あらゆる恐れや障害――たとえそれが魔女や悪鬼のような象徴的存在であっても――をも独力で超えてゆける。
それほどの精神的自由と力を得るのだ、とこの偈は説いています。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、「自己の使命(ダルマ)を全うした者は、いかなる妨げも恐れることはない」という普遍的な智慧を語っています。

外の敵よりも、自分の中にある怠惰・恐れ・不安・欲望こそが真の魔物である。
それらに打ち勝つには、己の道を貫くこと――つまり、与えられた務めに真摯に向き合い、極めることが必要です。

現代に生きる私たちにも、職業・役割・使命など、それぞれに果たすべき「つとめ」があります。
それを成し遂げることは、単に成果を上げるだけではなく、魂を鍛える修行となり、
最終的にはどんな困難にも揺るがぬ自信と静けさをもたらすのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点現代ビジネスでの応用
職業観の深化目の前の仕事は単なる作業ではなく、「自己の成長を鍛える道」として位置づける。
セルフマネジメント自分の内なる怠け心・恐れ・混乱(=魔女や悪鬼)を観察し、それらに打ち克つ力を磨く。
リーダーシップ他者に頼らず、使命を全うしようとする姿勢は、チームにも静かな影響力と信頼をもたらす。
逆境対応業務上の困難・誤解・圧力にも動じず、役割を黙々と果たす人は、精神的に「超えている」存在となる。

💡 感興のことば:心得まとめ

「己の道を極めし者は、闇をも超える」
真の修行は外界ではなく、自分の中にある恐れや妄念との闘いである。
日々の「つとめ」を一つひとつ丁寧に果たすことで、
人は知らぬうちに、あらゆる魔を越え、自由な境地へと至ってゆく。

職務に忠実であれ。行為に専心せよ。それが真の勝者の道である。


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