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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第46偈)
神々も、天の伎楽神たち(ガンダルヴァ)も、
人間どももその行方を知り得ない人、
無限の智をもっている人、かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
🔍 逐語訳(意訳)
- 神々(デーヴァ)でさえ、
- 天界の音楽を奏でるガンダルヴァ(伎楽神)たちでさえ、
- 人間たちでさえ、
- その人の進む道・帰着する境地を知ることができない。
それは、
- 彼が無限の智慧(アナンタ・ニャーナ)を持つ者だからである。
ゆえに仏陀は、その人を〈バラモン〉と呼ぶ。
🧘♂️ 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
神々(デーヴァ) | 天界に住む存在。仏教では解脱者より劣る存在とされる。 |
伎楽神(ガンダルヴァ) | 音楽や芸能を司る天界の精霊的存在。 |
その行方(パティッタ・パダン) | 解脱した者の境地・あり方。悟りを得た人の内的状態や歩む道。 |
無限の智(アナンタ・ニャーナ) | 限りなき洞察と智慧。煩悩の根本を見通し、存在の真理を知る力。 |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
神でさえも、その人の行き先を知ることができず、
人間にも、天界の音楽の神々にも、その境地は測れない。
それほどの無限の智慧を備えた人――
仏陀はその人を〈バラモン〉と呼ぶ。
🧭 解釈と現代的意義
この偈が語るのは、「真の賢者は他人の理解を超える存在である」ということです。
一見すると「つかみどころのない人」「何を考えているかわからない人」は、むしろ本質的な自由を得た人物である可能性があります。
また、「無限の智」とは知識の量ではなく、煩悩や世界を超越しているという質を意味しています。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 応用・実践例 |
---|---|
他者に理解されなくても揺るがない | 短期的には評価されなくても、長期的なビジョンと信念を貫く姿勢。 |
定型にとらわれない独自性 | 既存の枠におさまらず、自らの道を切り開く革新者のあり方。 |
“無限の智”としての直観力 | 理屈を超えて直観的に正道を見極める判断力や洞察力。 |
目に見えない成熟 | 数字や実績だけでは測れない、深い人間的成長と透明な心。 |
💡 感興のことば:心得まとめ
「理解されなくても、それは智の証」
他人に説明できない道を歩んでいても、
その静かな歩みには、無限の智慧が宿っている。
測れぬ者こそが、真に完成された者――
それが仏陀の説く〈バラモン〉である。
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