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望みを離れて、自由を得る


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第43偈)

現世を望まず、来世をも望まず、
欲求なくして、とらわれの無い人、

かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。


🔍 逐語訳(意訳)

  • 現世の快楽・成功・名声を求めることなく、
  • 来世における報い・再生・幸福も望まず、
  • 欲求から解き放たれ、
  • 何ものにもとらわれず自由である――
    そのような人を、仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。

🧘‍♂️ 用語解説

用語解説
現世(イーハローカ)現在のこの人生におけるあらゆる欲望対象(富、名誉、人間関係など)。
来世(パローローカ)死後の世界。特に天界への期待、または生まれ変わりの良き状態。
望まず(アナーパエッヒ)「欲しない」「求めない」という意味。煩悩から生まれる希求心の放棄。
とらわれの無い(アサンニッタ)いかなる対象・状態・結果にも執着しない、心の完全な自由さ。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

この世のものを欲しがらず、
あの世の報いすら求めず、
欲望という動機に動かされず、
一切にとらわれない人――
その人を、仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、「望まぬこと」にこそ究極の自由があるという仏教的逆説を表現しています。
現代人は多くの“欲望”に支配され、それが苦しみの根本原因になります。
この偈が教えるのは、「望むことをやめる自由」と「執着を断った軽やかさ」の力です。

これは諦めではなく、「自立と解放の境地」なのです。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
過度な期待からの解放昇進・報酬・承認などへの執着を手放すことで、淡々と誠実に仕事を行う。
他者評価に左右されない評価や人気ではなく、自分の信念と使命に従って意思決定する。
燃え尽き防止「もっと欲しい」という飽くなき欲求から離れることで、心身を穏やかに保つ。
非執着型のリーダーシップ組織の成果や評価にとらわれず、本質的な価値提供に集中できる指導者像。

💡 感興のことば:心得まとめ

「望みを捨てたとき、心は最も軽やかになる」

求めない、執着しない、期待しない――
そこに現れるのは、
どんな状況にも動じずに生きる自由な精神。
欲から離れ、真に自分を生きる者こそが、
仏陀の説く〈バラモン〉である。


この第43偈をもって、「望まず」「欲せず」「とらわれず」の三段論法が完結します。

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