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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第37偈)
虚空が泥に汚されることが無く、
また月が塵に汚されることが無いように、
諸の欲望に汚されることの無い人、かれをわれは〈バラモン〉と呼ぶ。
🔍 逐語訳(意訳)
- 虚空(空間)は泥で汚れることがなく、
- 月もまた、地上の塵によって曇ることはない。
- それと同じように、欲望によって穢されることのない人――
その人を、仏陀は〈バラモン〉と呼ぶ。
🧘♂️ 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
虚空(アーカーシャ) | あらゆるものを包みながら、自らは染まらない純粋な空間。 |
泥・塵(カララ・ラジャ) | 世俗的な欲・執着・煩悩の象徴。 |
月(チャンドラ) | 静かに光を放つ清浄な心の象徴。 |
汚れない(アサンキリタ) | 接触しても染まらない、内なる純粋さと離欲。 |
🗣 全体の現代語訳(まとめ)
空が泥にまみれることがないように、
月が塵で穢れることがないように、
心がどんな欲望に接しても染まらず、
静かに清らかさを保つ人こそが、
仏陀が説く〈バラモン〉である。
🧭 解釈と現代的意義
この偈は、環境や外界の影響を受けながらも、内面を汚されずに保つ心の純度の大切さを教えています。
現代社会においては、誘惑・利益・競争・称賛といった多くの「塵」に囲まれています。
それでも、本質を見失わずに清らかさと冷静さを保てる人間こそが、本当の意味で尊敬される存在なのです。
🏢 ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 応用・実践例 |
---|---|
誘惑に負けない判断力 | 利益や短期的成果に流されず、原理原則に立った意思決定をする。 |
静かなリーダーシップ | 困難や非難の中でも、動じずに透明な態度で周囲を導く力。 |
品格と信頼性 | 「ブレない人」「汚れない人」として組織内外で尊敬される存在。 |
環境適応力と自律性 | 変化の激しい環境にいても、自らの価値観を見失わず、ぶれない軸を持つこと。 |
💡 感興のことば:心得まとめ
「染まらぬ月、ゆるがぬ空のように」
泥を見ても濁らず、
塵の中でも光を失わない。
外界に左右されることなく、
静かに己を保ち続ける――
その心を持つ者を、仏陀は〈バラモン〉と呼んだ。
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