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自立し、明らかに見、整い、揺るがぬ者こそ真の完成者


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第23偈)

他人に依存せずに生き、
明らかな知(智慧)を持ち、
身を整え、行いが清らかで、
揺るがぬ安定の中にとどまり、
心の汚れ(煩悩)を滅し、
すでに過ちを離れている者――

その人こそが、〈バラモン〉と呼ばれるにふさわしい。
――『ダンマパダ』第33章 第23偈


🔍 逐語訳(意訳)

他人に養われることなく(経済的・精神的に自立し)、
物事を明瞭に理解し(真理を見抜く智慧をもち)、
身(行動・姿勢・生活)を整え、
堅固な土台(真理や解脱への道)に安住し、
煩悩の汚れを克服し、
過ちをすでに離れた者――
そのような人こそ、真の〈バラモン〉である。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 他人に養われることなく(アナーロー):経済的な自立を超えて、「依存しない心の確立」。精神的・道徳的に自分の足で立つこと。
  • はっきりと知る者(ヴィジャー・ヴィナヤ):無明を超えて真理を知り、行動と知識が一致している人。
  • 身をととのえ(スサンター・カーヤ):行動や生活が整然とし、乱れのない状態。
  • 堅固なもののうちに安立する(ダンマタッタ):真理や戒律、精神的安定の中に揺るがず立っていること。
  • 煩悩の汚れ(カレーサ・マラ):貪欲・瞋恚・愚痴など、心を汚すもの。
  • 過(アヴァジャ):過失・過ち・不善業。因果的報いを招く行為。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

誰にも依存せず、
自らの力で生き、学び、整えている。
思慮深く、真理を見抜き、
姿勢や行動が美しく整い、
内面は動揺することなく真理に安定し、
心の濁りを払い、過ちを修めた――
そのような人こそが、仏陀の説く〈バラモン〉=精神的完成者である。


🧭 解釈と現代的意義

この偈は、理想的な人格者の六つの条件を静かに、しかし明確に示します。
すなわち:

  1. 経済的・精神的な自立
  2. 真理を見抜く智慧
  3. 清らかな生活と行動
  4. 不動の精神的安定
  5. 煩悩の克服
  6. 過ちの修正と浄化

この6条件は、現代においても「成熟したリーダー像」「内面的に自立した人間像」として極めて有効です。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
自立性の確立支援に頼りすぎず、自ら意思決定し、自己完結できる人材が真に信頼される。
本質を見抜く力データや現象の奥にある真因・構造を見抜ける洞察力が、問題解決に必須。
行動と態度の整合所作・発言・立ち居振る舞いが整っている人は、存在自体に説得力がある。
動揺しない判断軸混乱の中でも揺るがず、原則と価値観に基づいて行動する力が組織を導く。
反省と成長の力自分の過ちを見つめ、修正し続ける人こそ、長く進化し続けることができる。

💡 感興のことば:心得まとめ

「依らず、見抜き、整い、ゆるがず、清めた者こそ真に自由である」

他者に頼らず、真理を見つめ、
身体を整え、心を揺らさず、
過去の過ちすら洗い清めた――
そんな静かな強さが、真の完成である。

仏陀は、そうした人に「バラモン」の名を贈った。


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