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悪を離れた人、それが真の高貴さである


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📖 引用原文(『ダンマパダ』第33章「バラモン」第8偈)

螺髪を結っているからといって、バラモンなのではない。
氏姓によってでもなく、また生まれによってでもない、と伝えられている。
大きかろうと小さかろうと、すべての悪を除いた人――
その人は、諸の悪を除いたがゆえに、〈バラモン〉と呼ばれる。
――『ダンマパダ』第33章 第8偈


🔍 逐語訳(意訳)

螺髪を結っているからといって、
また由緒ある家柄やカーストに生まれたからといって、
それだけで「バラモン(高貴な者)」とは呼ばれない。
大小いかなる悪もすべて捨て去った者――
その人こそが、清らかな者、「真のバラモン」と呼ばれるにふさわしい。


🧘‍♂️ 用語解説

  • 螺髪(らほつ):聖者の象徴的な髪型。形式的な外見の象徴。
  • 氏姓/生れ(ジャーティ):家系やカースト制度による世俗的身分。
  • 悪(アクサ):身体・言葉・心による不善な行為全般。貪欲・瞋恚・愚痴など。
  • すべて除いた(サンティナッジ):完全に離れた、根絶したという意味。自制による浄化。
  • バラモン:外的・形式的な意味ではなく、「悪を離れた者」「清らかな者」という仏教的定義。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

見た目や血筋、社会的地位ではなく、
善から外れた行い――すなわち「悪」を自分から一切取り除いた人。
その人こそが、真に清らかな存在として、
〈バラモン〉すなわち精神的に尊敬される人と呼ばれるのだ。


🧭 解釈と現代的意義

仏陀はここで、人間の尊さはその人が何をなしてきたか、何をなさないできたかで決まると語っています。
悪を犯さないために日々努力し、自分の内なる衝動を見つめ、制御し、浄化してきた人――その姿勢にこそ、本当の高貴さが宿るのです。

この価値観は、身分や経歴に左右される社会に対して、普遍的な基準を提供してくれます。


🏢 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用・実践例
倫理基盤のリーダーシップ実績や地位よりも、日々の誠実な判断と行動の積み重ねが、人を本当に尊敬されるリーダーにする。
悪を排する文化の育成小さな不正やハラスメントを許容しない空気を組織に根づかせることが、真の清浄さをつくる。
過去より現在の行動学歴・出自よりも「今どう生きているか」「どう判断しているか」を大切にする人事評価へ。
一貫したモラルの維持利益がかかる場面でも、不正・虚偽を排除し続ける姿勢が信頼を築く。

💡 感興のことば:心得まとめ

「立派な生まれより、悪を断つ勇気こそが尊い」

人の真価は、背負った家名や装いではなく、
「悪を選ばず、善を選び続けたその選択」にある。
小さな欲望・怒り・嘘――それらを断ち続けて生きる者が、
社会を清め、信頼をつくり、人生を浄化する。


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