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華を摘むように、欲を断て


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📜引用原文(日本語訳)

第五十六偈
池に生える華をば、水にもぐって折り取るように、
すっかり情欲を断ってしまった人は、
こなたの岸を捨て去る。
蛇が古い皮を脱皮して捨て去るようなものである。
― 『ダンマパダ』 第二章 第五十六偈


🔍逐語訳(文ごとの意訳)

  • 池に生える華をば、水にもぐって折り取るように
    欲望という深い水の中にある美しさ(華)を、意志と智慧で手に取る=欲望を制御し断つイメージ。
  • すっかり情欲を断ってしまった人は
    心の内にある性欲・物欲・執着などの煩悩を完全に断ち切った修行者。
  • こなたの岸を捨て去る
    現世の執着・束縛を手放し、あちらの岸(涅槃)へと渡る。
  • 蛇が古い皮を脱皮して捨て去るようなもの
    欲望や執着を脱ぎ捨て、より軽やかで自由な存在へと生まれ変わることの象徴。

📚用語解説

用語解説
池に生える華欲望の中にある一時的な美・快楽の象徴。
水にもぐって折り取る意志と修行によって、深く入り、煩悩を摘み取る行為の比喩。
情欲(タンハー)五欲(色・声・香・味・触)への執着。解脱を妨げる根本的な欲望。
こなたの岸この世、欲界・現象界。

🪞全体の現代語訳(まとめ)

情欲という深い水の中に咲く美しい華を、
意志を持って手折るように、
あらゆる欲望を断ち切った修行僧は、
もはやこの世への執着を手放す。
まるで蛇が古い皮を脱ぎ捨てて生まれ変わるように、
新たな自由の境地へと渡っていく。


🧠解釈と現代的意義

この偈が伝える本質は、**「欲望のコントロールこそが自由への道」**ということです。

  • 欲望を「否定する」のではなく、
  • 欲望を「見極め、超越する」こと。

美しく咲く花のように、欲望には魅力があり、
それを求める心は自然ですが、
それに執着する限り、心は自由にならない――
そうバガヴァットは説きます。

そして、欲望を断ち切る行為は、
自然に脱皮するように軽やかであってよいのです。
苦しみではなく、自己の変化と進化として。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
誘惑と自己制御成功や報酬、承認欲求に溺れず、本質的な目的に集中する。
執着からの解放「昇進」「収入」「ポジション」といった欲から自由になると、判断が公平になる。
変化への適応古い執着(役割、慣習、思考)を脱ぎ捨て、新しい行動へ踏み出す勇気を持つ。
静かな革新外の声に惑わされず、内なる意志で変化を起こす「脱皮的変革」を実践する。

✅心得まとめ

「欲に咲く華を見て、華に染まらず手折れ」

欲望は美しく咲く。
だが、その美に溺れず、静かに手折って前へ進め。

本当の自由は、欲から離れたところにある。
蛇が古き皮を捨てるように、
わたしもまた、昨日までの欲を一枚、脱いで歩き出す。


この偈は、人生のあらゆる場面での「選択と離脱」の智慧を与えてくれます。

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