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清貧にして専念する者、神々すら敬う


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📜原文(引用)

第三二章 修行僧一
修行僧らよ。他人が養ってくれるのではなくて、托鉢によってみずから養い、心は静まり、専念している修行完成者を、神々も羨む。
― 『ダンマパダ』第32偈


🔍逐語訳(意訳を交えた逐語訳)

  • 修行僧らよ:修行に志す者たちへの呼びかけ。
  • 他人が養ってくれるのではなくて:依存して生きるのではなく、
  • 托鉢によってみずから養い:僧侶として乞食(こつじき)=托鉢を行い、自分自身の糧を得て、
  • 心は静まり、専念している:内面の欲望や混乱を鎮め、ひとつの道に心を集中している状態。
  • 修行完成者を:修行によって心を完成させた者(阿羅漢など)を、
  • 神々も羨む:天界の存在ですら、その境地に憧れるほどである。

📚用語解説

用語解説
托鉢(たくはつ)仏教の修行の一環。自ら食物などを施されることで、謙虚と自立の精神を養う行い。
修行完成者迷いや煩悩を超え、悟りに達した者。パーリ語では「アラハン(arahant)」。
心は静まり瞑想や戒律によって心が騒がず、澄んでいる状態。
神々も羨む仏教において、天界の存在よりも悟りを得た修行者が上位の存在であることを示す表現。

🪞全体の現代語訳(まとめ)

修行に励む者よ。人に頼って生きるのではなく、自らの手で糧を得て、欲望を鎮め、ひたすらに道を求める人――そのような修行完成者の生き方は、天界の神々ですら羨むほどに尊いのだ。


🧠解釈と現代的意義

この偈(ことば)は、**「自立」「専念」「内的完成」の価値を説いています。外部に頼らず、必要最小限の支えで生き、自己鍛錬と精神の静寂を得ることは、世俗的な成功よりも遥かに高い境地とされます。
現代では「豊かさ=依存の連鎖」にあることも多いですが、この教えは
「最小の支えと最大の精神集中」**こそが尊いと示しています。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点ビジネスへの応用例
自立会社や制度に甘えず、自分の価値を自分で生み出す姿勢が信頼を得る。
簡素・ミニマリズム必要最低限の資源で効率的に成果を出すことが、組織における尊敬を集める。
集中と習熟周囲に気を散らさず、自分のミッションに集中している人は、結果として周囲からも一目置かれる存在になる。
無欲の実力者表に出ず、静かに力を蓄える者は、外見以上に影響力を持つ。神々が羨むように、優秀な人ほど「語らずして魅せる」。

✅心得まとめ

「欲せずして歩む者に、天すら頭を垂れる」

他者への依存を絶ち、静かに一つの道を進む姿――それが最も尊く、最も力強い。
私たちも、支配・欲望・誇示に向かうのではなく、**「必要な分だけを受けとり、静かに果たす」**という姿勢に、真の力を見出すべきではないでしょうか。

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