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欠点を断ち、憎しみを離れた人こそ、真に端正な人である


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📜 原文(第二九章 九)

「諸の欠点を断ち、ターラ樹葉の尖のように根絶やしになり、憎しみをのぞき、聡明である人、かれこそ『端正な人』とよばれる。」


🔍 逐語解釈と要点

  • 諸の欠点:貪(むさぼり)・瞋(怒り)・痴(無知)など、仏教で言う「煩悩」や人格的な欠陥。
  • ターラ樹葉の尖のように:非常に鋭利で跡を残さず切り離すことの比喩。迷いや執着を根こそぎ断つこと。
  • 憎しみを除き:怒りや怨みといった負の感情を心から取り除く。
  • 聡明である人:智慧があり、洞察に優れた者。感情に流されず本質を見抜く人。
  • 端正な人(スパンナ):外見ではなく、心・行い・思索が整っている人間としての完成された姿を指す。

🧠 解釈と現代的意義

この章句は、「人格的完成とは何か?」を端的に示す教えです。
「端正な人」とは、容姿や言動の体裁ではなく、煩悩を断ち切り、怒りに支配されず、智慧をもって穏やかに生きる人であるという、仏教的な理想像が描かれています。

ここで重要なのは、単に欠点を「抑える」のではなく、鋭利な刃物のように根本から断ち切ること、そしてそれによって心が澄み、智慧が宿るという順序です。

これは、表面的な自己啓発や対症療法ではなく、内面の大掃除と深層的な自己変革を意味しています。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーシップの完成感情的反応(怒り・偏見)を克服し、部下やチームに対して公正・冷静・柔軟に対応する人物が「端正なリーダー」。
対人関係・交渉憎しみや対立感情にとらわれず、相手の立場を理解しつつ冷静に判断できる人は、尊敬と信頼を集める。
問題解決の姿勢欠点(思い込み、焦り、傲慢)を見極めて克服し、本質を見通す力を持つことで、複雑な問題にも本質的に対応できる。
セルフマネジメント自身の内面と向き合い、怒りや嫉妬といった「業火」から離れられる者は、ストレスに強く、安定した判断を下せる。

✅ 心得まとめ

「怒りと煩悩を断ち、智慧をもって生きる者こそ、本当に美しい」

「端正さ」とは、装いや話し方ではありません。
欠点を見つめ、断ち切り、怒りを手放し、静かな智慧をもって行動する人にこそ、「人としての完成=端正さ」が宿ります。

現代社会においても、見た目や肩書ではなく、内面から整えられた人物こそが、信頼され、尊敬され、導く立場にふさわしいのです。

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