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善は静かに、心を照らす光となる


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■引用原文(日本語訳)

三三
善いことをしたならば、ひとは喜ぶ。
ずっと昔にしたことであっても、
遠いところでしたことであっても、ひとは喜ぶ。
人に知られずにしたことであっても、ひとは喜ぶ。
それの果報があるのだから、ひとは喜ぶ。
―『ダンマパダ』より


■逐語訳

  • 善いことをしたならば、ひとは喜ぶ:善行は、時が経っても心に深い満足と喜びをもたらす。
  • ずっと昔・遠い場所・人に知られないことでも:どんなに目立たない行為であっても、自らの心が覚えている善は、静かな幸せとなる。
  • 果報があるから喜ぶ:善因は善果を生み、内面的にも外面的にも良き実りが訪れる。

■用語解説

  • 善いこと(善行):誠実、思いやり、助け、正直、公平といった道徳的価値に基づく行為。
  • 喜ぶ:ここでは「表面的な嬉しさ」ではなく、「心の奥から湧きあがる満足感・安堵感・安穏」を意味する。
  • 果報(かほう):善行が生む良い報い。人生や環境に影響を与えるプラスの因果の結果。

■全体の現代語訳(まとめ)

たとえそれが昔にしたことであっても、遠い場所でしたことであっても、誰にも知られていないことであっても、
人は自分の善行を思い出したとき、心から喜びを感じるものである。
その善い行為には、必ず果報がある。
だからこそ、人は善を行なうことによって、安らぎと喜びに満たされる。


■解釈と現代的意義

この偈は、「目に見えない報酬こそが本物の幸福である」というメッセージを含んでいます。
現代社会は「他者からの評価」や「可視化された成功」に傾きがちですが、
この教えは、「たとえ誰にも知られなくとも、自分の心が知っている善行が、本物の幸福をもたらす」と語りかけます。
これは内的モチベーション良心の自己報酬の価値を示すものであり、静かで深い人間的喜びに通じます。


■ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
内発的動機づけ他者からの称賛を求めずとも、「自分が正しいと思う行い」が、真の満足感と持続的エネルギーを生む。
隠れた貢献の価値地味で表に出ない仕事でも、それが人の役に立っていると実感できるとき、働く喜びは深まる。
価値観に基づいた経営社員やリーダーが善意と誠実をもって行動する企業文化は、必ず信頼と成果を育てていく。
長期的な信用形成即効性のない善行でも、長期的にはブランドや人的信頼として必ず果実をもたらす。

■心得まとめ

「小さき善も、心を照らす宝となる」
たとえ、誰も見ていなくても、
どれほど昔のことであっても、
あなたが行った善は、
あなたの心に静かに喜びをもたらす。
その善き行いは、
やがて時を超え、状況を越えて、
確かなる果報をもって返ってくる。
だからこそ、善を惜しむな――
それはあなたを支える最も確かな光となるのだから。


この偈は、「セルフモチベーション」「善行による自己充実」「行動倫理」などの観点からも、
個人やチーム、組織文化に応用しやすいテーマです。

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