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正しき道は険しき道、されど真理に通ず


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📖引用原文(日本語訳)

恥を知り、常に清きをもとめ、
よく仕事に専念していて、
つつしみ深く、真理を見て、清く暮す人は、
生活し難い。
――『ダンマパダ』 第二七章「観察」第四節


🧩逐語訳

  • 恥を知り:道徳的・倫理的な自制心を持ち、自らの過ちを顧みる心を持つ。
  • 常に清きをもとめ:心や行動を清らかに保ち、純粋さを目指す生き方。
  • よく仕事に専念していて:与えられた役割・義務に真剣に取り組むこと。
  • つつしみ深く:謙虚で慎みのある態度。言動に慎重さと敬意がある。
  • 真理を見て、清く暮す:物事の本質(ダンマ)を見極め、誠実に清らかに日常を生きる。
  • 生活し難い:世俗的・現実的には生きづらく、不遇を被りやすい。

🧠用語解説

  • 恥(ヒーリ)と怖(オッタッパ):仏教における二大護法。自己への恥と、他者の目による制約の両方を持って人は倫理を保つ。
  • 清き(ヴィソッダ):煩悩や我欲に染まらない清浄な状態。
  • 真理(ダンマ):仏法・法則・道理。ここでは人としてのあるべき姿、生きる根本指針。

🪷全体の現代語訳(まとめ)

常に心の清らかさを保ち、慎みを忘れず、目の前の仕事に誠実に打ち込み、真理を深く見つめる――そんな生き方を選ぶ人は、現代社会では決して“生きやすい”とは言えない。
しかしその道こそが、表面の成功ではなく、魂の充足と真実に通じている。


🌱解釈と現代的意義

この節は、「正しく生きることの困難さ」と「それでもなお清くあろうとする尊さ」を教えてくれます。
目立たずとも黙々と仕事をし、清らかさを保ち続ける人は、派手な自己主張や利己的な手段に頼る人よりも、報われにくく、時に軽んじられるかもしれません。
しかし、その苦労の中にこそ人格が磨かれ、深い意味での尊敬や信頼、そして精神的な満足が育まれるのです。


💼ビジネスにおける解釈と適用

観点実務への応用例
誠実な働き方成果よりもプロセスを大切にし、誠実に取り組む社員は評価が遅れることもあるが、長期的に信頼を得る。
清廉なリーダーシップ不正に手を染めず、率先して謙虚な態度を貫くリーダーは、組織文化の「核」となる存在。
仕事への集中無駄な自己演出よりも、業務に静かに専念する人こそ、真に貢献しているケースが多い。
倫理観と経済合理性の両立「効率第一」に傾く組織にあっても、倫理を犠牲にしない姿勢が長期的信頼と価値を生む。

📝心得まとめ

「清らかに生きることは、世に逆らうこと。しかし、その逆風が、魂を磨く風となる」

声を荒げず、利を追わず、ただ真理と誠実さに沿って生きる人は、社会において目立たず、報われにくいかもしれない。
しかしその人こそ、信頼され、静かな影響力をもって世に光をもたらす。
清くあることを選ぶ勇気が、やがて真の幸福を照らすのです。


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