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響かぬ鐘は、悟りの証


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📖引用原文(日本語訳)

五*
しかし、こわれた鐘が音を出さないように、
汝が自分を動揺させ(煩悩をおこす)ことが無いならば、
汝はすでに安らぎ(ニルヴァーナ)に達している。
汝はもはや怒り罵ることがない。


🔍逐語解釈と用語の意味

表現解釈
こわれた鐘が音を出さないように外界の刺激に反応せず、心が響かない=動じない境地。
動揺させない/煩悩を起こさない欲望、怒り、嫉妬などに心が引きずられない状態。
安らぎ(ニルヴァーナ)に達している一切の煩悩と無明を超えた心の解放=悟りの完成。
怒り罵ることがない外的状況にかかわらず、感情の反応を起こさず、静かに慈しみを保つ状態。

🧘‍♂️全体の現代語訳(まとめ)

もしもあなたの心が、壊れた鐘がもはや音を出さないように、
どんな外的刺激にも反応せず、煩悩を起こさずにいられるなら、あなたはすでにニルヴァーナに至っている
怒ることも、誰かを罵ることもなく、完全なる心の平安にある――その境地こそ、仏陀が説く究極の安らぎである。


💡解釈と現代的意義

この節は、前の「四*」が「動揺し続ければ迷いは終わらない」と警告していたのに対し、
今回はその逆、「動じなければすでに悟りにある」という到達点の姿を静かに示しています。

仏教では、「怒らない人」は弱い人ではなく、「怒る理由すら見えなくなった人」こそが強者とされます。
日々の生活で何が起きても動じない、反応しない、罵らない——それは単なる我慢ではなく、煩悩の燃料が尽きて、火が消えたような心の状態です。

このような人こそが、**“社会のなかで仏として歩む人”**なのです。


💼ビジネスにおける適用

観点適用内容
リーダーシップ部下や周囲が混乱していても、まったく動じず、静かに見守るリーダーは安心と信頼を生む。
対人スキルの極致理不尽な状況でも怒らず、誰にも悪態をつかない人は、組織において極めて貴重な存在。
マインドフルな対応感情に流されない姿勢が、判断・発言・行動のすべてにおいて高精度な選択を可能にする。
ブランドの人格形成顧客のクレームに対しても動揺せず、誠実に対応する姿勢は、長期的な信頼を生む“人格資産”となる。

✅心得まとめ

「怒らぬ人は、すでに悟っている」
響かぬ鐘は、壊れているのではなく、完成されているのだ
心が何によっても揺れ動かなくなったとき、人はもはや、怒らず、争わず、ただ静かに“ある”。

それが、仏陀の言う「ニルヴァーナの人」の姿。
この境地を目指すとは、日々の実践の中で「怒らず」「反応せず」「静かであること」を磨いていくことなのです。

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