目次
📖原文(日本語訳)
「仏の教えをつねに信ずる人々は幸運とともに進むであろう。
商人たちが天馬によって(はこばれる)ように。」
— 『ダンマパダ』第21章「如来」第15節
🔍逐語訳・用語解説
語句 | 解説 |
---|---|
仏の教えをつねに信ずる人々 | ダンマ(真理)を日々の生活の中で心に留め、尊重し、実践し続ける者たち。 |
幸運とともに進む | 外的な成功というよりも、内面の安定・智慧・運命の好転といった霊的・実質的幸福の流れ。 |
商人たち | 人生を旅する者=私たち一人ひとりの象徴。 |
天馬(デーヴァアサヴァ) | 空を駆け、迅速に安全に目的地へと運ぶ神聖な乗り物。ここでは「導き」「守護」「智慧の象徴」。 |
はこばれるように | 導かれるがままに、無理なく進んでいくこと。安全と安心の旅路の比喩。 |
💡全体の現代語訳(まとめ)
常に仏の教えを信じ、その教えを心に持って生きる者は、
まるで商人が天の馬に乗せられ、安全かつ確実に運ばれていくように、
幸福とともに歩みを進めていくだろう。
🧠解釈と現代的意義
この節は、前節(第14節)の「信じぬ者は災いに遭う」に対して、
**「信じる者は守られ、幸福に導かれる」**という正反対の教訓を提示しています。
仏の教えを「信じる」とは、盲目的に従うことではなく、
その真理(ダンマ)を日常に根ざして生きるという態度です。
そうした人は、目先の欲望や混乱に迷わされず、
内なる静けさと正しい判断によって、自然と良い方向に進んでいくことができる――
その姿は、天馬に乗った旅人のように優雅で、安全で、力強いものです。
💼ビジネスにおける解釈と応用
視点 | 応用例 |
---|---|
価値観の信頼性 | 明確な理念や信念を持ち、それに従って判断・行動している人は、他者からの信頼を得やすく、困難を乗り越える力を持つ。 |
判断と導き | 日々の意思決定において、真理に基づいた判断が最も遠回りのない「最短ルート」となる。 |
長期的視点の幸福 | 短期の利益に振り回されず、価値の持続を見据えたビジョンに立つことで、運に見えるような支援や成功が巡ってくる。 |
自律的な安心感 | 他人に頼らず、自分の軸で生きることで、まるで天馬に乗っているかのような落ち着きと流れの中にいられる。 |
🧾心得まとめ
「信じる者は、導かれて進む」
仏の教えを信じ、日々の心の中でそれを保ち続ける者は、
迷いなく、恐れなく、幸福な方向へと自然に導かれる。
天馬に運ばれる商人のように、
自分の力だけでなく、大いなる真理の流れに支えられて生きる――
それが「信」のもたらす真の安定と幸運である。
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