目次
📖原文(日本語訳)
「われは世間において敬われるべき者(真人)である。われは世間において無上の者である。神々と人間との世界において、われは悪魔に打ち勝った勝利者である。」
— 『ダンマパダ』第21章「如来」第3節
🔍逐語訳・用語解説
語句 | 意味・解説 |
---|---|
敬われるべき者(真人) | 真理に達した完全な人格者。尊敬を受けるにふさわしい完成者。 |
無上の者(アナッタロ) | 上に立つものが他にない者。精神的階梯において最高位にある者。 |
神々と人間との世界 | 六道のうち、欲界に属する存在世界。全ての有情が共存する場。 |
悪魔(マーラ)に打ち勝つ | 煩悩・死・恐れ・執着・妨げなど象徴的「障害者」としての悪魔を克服したこと。 |
勝利者(ジナ) | 内的な闘いに勝ち、自身を超越した者。仏陀の異名でもある。 |
💡全体の現代語訳(まとめ)
私は、世間において心から敬われるべき真の人格者である。
私は、この世において他に並ぶ者のない、最も高貴な存在である。
そして私は、神々と人間とのすべての世界において、悪魔(煩悩・妨げ)に打ち勝った勝利者である。
🧠解釈と現代的意義
この章句は、仏陀の「精神的完全性と絶対的勝利」を宣言するものです。仏陀は単に知識を持つ者ではなく、「自らの内なる悪魔=煩悩と恐怖」に打ち勝った真の勝者であり、それゆえにこの世界のあらゆる存在の中で無上とされています。
このメッセージは、現代の私たちに「外の敵ではなく、内なる課題にこそ真の勝利がある」ことを示しています。社会的な成功や称賛よりも、自分自身との誠実な対話と克服こそが、最も尊い勝利なのです。
💼ビジネスにおける解釈と応用
視点 | 応用例 |
---|---|
内面の統治者 | 他者との競争よりも、自己の弱さや迷いに打ち勝つ人が真のリーダーとなる。 |
本物の尊敬を得る人物像 | 地位や権力によってではなく、人格と行動の一致によって自然に敬意を集める。 |
精神的な優越性 | 実務能力だけでなく、倫理的信念と内面の確かさを備えた人が組織に安定をもたらす。 |
恐れへの勝利 | 判断ミスや批判への恐れを超え、信念に基づいて堂々と決断する力が組織を導く。 |
🧾心得まとめ
「勝つべき敵は、己のうちにいる」
真の勝者とは、他人を打ち負かした者ではなく、
自己の中の迷い・恐れ・煩悩に打ち克った者。
その人は自然と敬われ、誰とも比べる必要のない、無上の存在となる。
この心得は、現代のリーダー・ビジネスパーソンにとって、
「内面の統治」を基盤にした本物の影響力を育む指針となるでしょう。
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