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真に自らを知る者は、もはや何者にも依らない


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📖原文(日本語訳)

「われはすべてに打ち勝ち、すべてを知り、あらゆることがらに関してつねに汚されていない。すべてを捨てて、一切の恐怖から解脱している。みずからさとったのであって、誰を〔師と〕呼ぶであろうか。」

— 『ダンマパダ』第21章「如来」第1節


🔍逐語訳

語句訳語・意味
すべてに打ち勝ち煩悩・執着・無知など、内なる敵を完全に克服した
すべてを知り真理を体得し、無知を超えた智慧を得た
汚されていない五欲・悪徳・迷妄などによる汚れが一切ない状態
すべてを捨てて世俗の束縛、執着、欲望を完全に捨て去っている
一切の恐怖から解脱生老病死や不安・恐怖といった存在的苦悩から自由である
みずからさとった他者の助けではなく、自らの努力と悟りによって到達した
誰を〔師と〕呼ぶであろうか自らの完成をもって、もはや教えを受ける対象が存在しないことの表明

💡全体の現代語訳(まとめ)

私は、すべての煩悩に打ち勝ち、真理を悟り、いかなる迷いや汚れにも染まっていない。すべての執着を捨て、いかなる恐れからも自由になっている。これは誰かに教わったのではなく、自らの力で悟ったのである。もはや、私にとって師と仰ぐべき者は存在しない。


🧠解釈と現代的意義

この章句は、ブッダ自身の「完全なる自己実現」を述べたものであり、究極的な精神的自律と自由の姿を示しています。「誰を師とするか」ではなく、「自らの内に師がある」――このメッセージは、現代社会の自己依存や内省の価値とも深く響き合います。

人は他者や環境に依存するあまり、自分の内なる可能性や知恵を見失いがちです。しかし、すべてを見極め、すべてを捨て、自由になった存在(如来)の姿は、「本当の師は自分の中にいる」ことを私たちに示唆します。


💼ビジネスにおける解釈と適用

視点応用例
自己判断力常に誰かの承認や指示を仰ぐのではなく、自ら学び、考え、行動する力を育むことが重要である。
精神的自立キャリアにおいて「依存」から「自律」への移行が成熟の証である。
リーダーシップ他者を模倣するだけのリーダーではなく、自分の経験と知恵に基づく独立した意思決定が信頼を生む。
恐れからの自由損得や批判への恐れを超えて、信念に基づいた行動をとれる人間が最も信頼される。

🧾心得まとめ

「自己に師を求めよ」

他人の判断に頼らず、自らの心を鍛え、清め、自由にすること。
すべての執着と恐れを手放した先に、真の悟りがある。
如来とは、自らの力で悟りに達した者。
私たちもまた、自らのうちに智慧の光を見出し、誰にも依存せず生きていけるよう努めるべきである。

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