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心に恥じ、知恵を持つ者は、悪を超える


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📖 引用原文(日本語訳)


恥を知り、明らかな知慧あり、よく心を統一安定しているこの人は、一切の悪を捨て去る。
良い馬が鞭を受けたときのように。
——『ダンマパダ』第十九章 第五偈


📘 逐語訳(文ごと)

  1. 恥を知る人、明確な知慧を持つ人、心をよく統一・安定させている人は――
     → 内面に倫理観(羞恥心)と智慧を持ち、心の集中を実現している者。
  2. まるで良馬が鞭を受けて敏感に反応するように、
     → 少しの刺激・教えによって即座に行動を改める感受性の比喩。
  3. 一切の悪を捨て去ることができる。
     → 煩悩・執着・悪行から完全に離れ、清らかな生を生きる者となる。

🧩 用語解説

用語解説
恥(ヒリ)道に背いたときに自然に湧く内面の良心。倫理的感受性。
知慧(パンニャー)物事の本質を見抜く力。仏教における実践的な智慧。
心の統一(サマーディ)雑念がなく、集中した状態。瞑想の深まりによって得られる。
悪(アクサラ)貪欲・怒り・無知など、苦しみや迷いを生む行為や心理。

💬 全体の現代語訳(まとめ)

この偈では、心の中に「恥じる心」「智慧」「集中力」を持つ人こそが、まるで良馬が鞭に素早く反応するように、悪を即座に離れ、完全に清浄な生き方へと至ることができると説いています。
これは、外的な成果ではなく、「自己内省と感受性の高さ」が徳の完成に至る鍵であることを示しています。


🧠 解釈と現代的意義

この句が最も重視しているのは「羞恥心」です。
現代においてこの言葉はネガティブに聞こえるかもしれませんが、ここで言う「恥」とは、他者の目ではなく、自らの心が知る倫理的な感受性です。
このような人は、誰かに責められなくても、自分で自分の行動を見つめ直す力を持っています。
そこに「知恵」や「集中した心」が加わることで、自然に悪しき行動を離れ、誠実な生き方へと導かれていくのです。


🏢 ビジネスにおける適用

観点適用例
内省と誠実さ誰かに見られていなくても、間違いや怠惰を自ら恥じ、改善しようとする人は本当に信頼される。
倫理と自制心利益優先で不正や軽率な行動を取りそうになっても、内なる倫理観によって踏みとどまれる力が求められる。
気づきと改善失敗やフィードバックを素早く受け止め、すぐに行動を改める姿勢が、結果を変える。
深い集中力多忙な日常でも、心を一点に集中し、自分と向き合う時間を持つことで、誤りの芽を早期に摘むことができる。

🧭 心得まとめ

「恥じる心に、智慧と集中が加わるとき、人は悪を超えて清らかになる」

良い馬が一鞭で走るように、心ある人は、わずかな気づきで自らを律する
それは人から咎められる前に、自分の内面から正しさを求める感性である。
この姿勢こそ、ビジネス・人生においても「信頼」と「成熟」の源泉となる。


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