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夢中のまま終わらぬために、目を覚まして生きよ


■ 引用(出典)

一五*
花を摘むのに夢中になっている人が、
未だ望みを果たさないうちに、
死神がかれを征服する。
(『ダンマパダ』第18章 第15偈)


■ 逐語訳

  • 快楽や物質的な追求に耽り、花を摘むことに夢中になっている者がいる。
  • 彼は、まだ自分の願いや目標を果たしていない。
  • しかしその最中に、死神がやってきて、彼の命を奪ってしまう。
  • 夢中になっていた間に、その人は死に征服されてしまうのだ。

■ 用語解説

用語解説
花を摘む世俗の楽しみ、物質的欲望、成功への執着。人生の「外側」ばかりを追い求める姿勢。
夢中になっている人無常を忘れ、「いつかやろう」「まだ時間がある」と考えている状態。
望みを果たさないうちに人生の本質的な目的や願い(学び、徳積み、心の成長)を果たす前に。
死神が征服する予期せぬ死が訪れ、すべての執着・計画が終わりを迎えるという現実。

■ 全体現代語訳(まとめ)

人生の喜びや成功を追いかけて夢中になっている間に、
本当に果たすべき使命や願いに手をつけぬまま、
ある日突然、死神がやってくる。
それは、目が覚めぬまま終わる夢のように――
その人のすべては「征服」されてしまうのだ。


■ 解釈と現代的意義

この偈は、**「いま、何を果たして生きるのか」**という厳粛な問いを私たちに投げかけます。
やりたいことがある、達成したい理想がある――けれど「まだ先でいい」「もう少し余裕ができてから」と先延ばししてしまう心。
その間にも死は近づいてくるのです。仏教は「死を恐れる」のではなく、「死を忘れないことで、生を深く生きよ」と教えます。
この偈はまさにその実践的な目覚ましのようなものです。


■ ビジネスにおける解釈と適用

観点応用の仕方
今この瞬間への集中「あとでやる」ではなく、「今できることを、今やる」。時間の価値を知る人は、成果も信頼も積み上げる。
優先順位の見直し忙しさに流されて、本当に重要な課題や夢を後回しにしていないか。未完のまま終わらないために、今日一歩を踏み出すこと。
人生のミッションとの整合単なる利益や出世ではなく、「自分がこの仕事を通して何を残すのか」を明確にしておくと、死に後悔しない働き方になる。

■ ビジネス心得タイトル

「夢に征服されるな、いま志を果たせ」

「まだ間に合う」と思っている間に、人生の終わりはやってくる。
死神は、予定表を見てはくれない。
あなたが本当にやりたいこと、大切にしたい人――
それに向けた一歩を、今日踏み出しているか?
“夢中”ではなく、“目覚め”のまま生きよ。


この第十五偈は、「無常」を恐れでなく“推進力”に変える教えです。

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