■ 引用(出典)
第二偈*
学びにつとめる人こそ、この大地を征服し、神々とともなる閻魔の世界を征服するであろう。
わざに巧みな人が花を摘むように、学びにつとめる人こそ、善く説かれた真理のことばを摘み集めるのであろう。
(『ダンマパダ』第18章 第2偈)
■ 逐語訳
- 学びに励む人がこそ、この世(大地)を制することができる。
- また、神々の領域や閻魔(死後の世界)においても、それを克服する者である。
- 技芸や判断に優れた人が、美しい花を摘むように――
- 真理を理解しようと学び続ける人こそが、教えの中から最も重要な言葉を選び取り、自らのものとしてゆく。
■ 用語解説
用語 | 解説 |
---|---|
学びにつとめる人(パンドゥィータ) | 単なる知識の取得に留まらず、実践を伴う智慧の探究者。 |
大地の征服 | 現世の煩悩・欲望・無明(無知)に打ち勝つ精神的勝利。 |
閻魔の世界 | 死後の裁きを象徴する世界。生と死を超える力を象徴。 |
花を摘む | 比喩的に、慎重かつ選択的に真理を受け取る知恵の行為。 |
善く説かれた真理のことば | 仏陀の教え、真理に基づいた導きの言葉。 |
■ 全体現代語訳(まとめ)
仏陀は説く――この世の困難や死後の世界すらも征服できるのは、日々学びに励む者である、と。美しい花を一つ一つ丁寧に選び取るように、真理の教えの中から、自らの行動に活かす言葉を見出す人こそが、悟りへと近づく存在である。
■ 解釈と現代的意義
この偈は、「学び続ける者こそが人生を超えてゆく力を持つ」と強く語りかけます。知識を得て終わるのではなく、「何を選び、どう行動に活かすか」が人生の鍵であるという普遍的な真理がここにあります。学びとは受動的な記憶ではなく、真理を探る能動的な態度なのです。
■ ビジネスにおける解釈と適用
観点 | 応用の仕方 |
---|---|
変化に強い人材 | 常に学び続けている人は、時代の変化に柔軟に対応でき、結果として大きな成果を収める。 |
選択と集中の力 | 多くの知識や情報の中から、「今、自分に必要なもの」を見抜き、実践する目を養うことが、成功の鍵となる。 |
リーダーとしての学び | 組織や社会における問題を超えていくためには、常に自己革新を続け、学びを行動に反映する姿勢が必要。 |
■ ビジネス心得タイトル
「学びを花とせよ、選び取り、活かす者が勝つ」
ただ知識を積むだけではなく、学びの中から真理を見抜き、実行に移せる者こそが、困難を超えていくリーダーとなる。日々の言葉、経験、対話の中に咲く「学びの花」を見逃さず、選び取る感性を育てよ――それが成功と成熟への第一歩である。
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