目次
📜引用文(第七章)
「善い行ない一」
身体に過ちを犯さないように、まもり落ち着けよ。身体について、慎んでおれ。
身体による悪い行ないを捨てて、身体によって善行を行なえ。
🔍逐語訳
- 身体に過ちを犯さないように:行動によって誰かを傷つけたり、乱れたりすることがないように。
- まもり落ち着けよ:自制と平静を保ち、安定した行動をせよ。
- 慎んでおれ:欲や怒りに流されず、身体を制御せよ。
- 悪い行ないを捨てて:暴力・盗み・不貞など、他者や自己を害する行為をやめること。
- 善行を行なえ:慈しみ、正義、礼儀、援助などの善き行為を、日々の身体の使い方の中で表すこと。
🧩用語解説
- 身体の行い(身業):仏教で三業(身・口・意)の一つ。身体によって行う具体的な行為すべて。
- 悪行:暴力・殺生・盗み・性的不道徳など、破戒や迷いから生じる行動。
- 善行:他者への思いやり、礼節をもった行為、助け、働きなど。
- 慎む(自制):本能的な衝動にまかせず、正しさを基準に行動すること。
🧘♂️全体現代語訳(まとめ)
身体の行為には、心の状態が現れる。したがって、まずは身体による過ちを避け、静けさと慎みを保つことが大切である。悪い行いは避け、身体を使って善をなすことが、道を歩む基本であると教えている。
📖解釈と現代的意義
現代社会では、言葉や思考だけでなく「行動」そのものが人格や信頼に直結します。服装、所作、態度、表情、立ち居振る舞い——これらすべてが「身体による表現」です。
この教えは、「まずは形を正す」「行動で示す」ことの重要性を説いています。身を律することが、最終的に心を整え、周囲の人々に安心感や信頼を与えるのです。
💼ビジネスにおける応用
視点 | 適用例 |
---|---|
第一印象と信頼形成 | 身だしなみや立ち居振る舞いが整っている人は、第一印象で信頼を得やすい。 |
リーダーシップ | 指示よりも行動で見せるリーダーが、部下に信頼される。 |
自己統制 | 怒りや苛立ちを顔や行動に出さず、平静を保つ人は、組織に安定をもたらす。 |
継続的改善 | 善い行動(小さな親切、礼儀、整理整頓など)を日常に組み込むことが、品格と人望を育てる。 |
🧭心得まとめ(座右の銘風)
「正しさは、行動に現れる。心を磨くには、まず身を律せよ」
身体の行ないは、心の鏡である。
言葉を飾る前に、行動を整えよう。
日々の立ち居振る舞いの中に、あなたの徳が宿る。
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