目次
📖 原文引用(日本語訳)
心ある人はこの道理を見て、つねに戒しめをまもり、すみやかにニルヴァーナに至る道を清くせよ。
――『ダンマパダ』第六章「戒しめ」第十五節
📝 逐語訳
- 意識ある人・自覚ある者(=心ある人)は、
- これまで説かれてきた**真理(道理)**をよく理解し、
- 常に戒律(倫理・道徳)を守りながら、
- 速やかに涅槃(ニルヴァーナ)へ至るための道を清めるように努めるべきである。
🧩 用語解説
- 心ある人:気づきをもって生きようとする者。修養に志を持つ人。
- 道理:真理・理法。前節までの「戒・定・慧」「執着を離れること」「心の開示」などを含む、仏教的真実。
- 戒しめをまもる(持戒):日常の行いを整え、慎み深く生きること。
- 道を清くする:修行の道・精神の流れを濁らせず、清らかに保つ。心の浄化と実践の継続を意味する。
- ニルヴァーナ(涅槃):煩悩や苦から完全に解放された悟りの境地。
🪞 全体現代語訳(まとめ)
目覚めた心を持つ人は、これまでの教え(戒律の重要性・内面の解放・心の清らかさ)を正しく理解し、日々の行動においてその教えを実践し続けることで、悟り=ニルヴァーナへの道を清らかに整えていくべきだと説かれている。
すなわち、理解したらすぐ行動へ移せ、それが解脱への一歩であるという教訓である。
🌏 解釈と現代的意義
この節は、**「気づいたなら、迷わず行動せよ」**という、強く静かな呼びかけです。
私たちは多くの教えや知識に触れながらも、後回しにしたり、忘れたり、流されたりしてしまいがちです。
しかし、真理に触れたなら、即座に行動し、日々の習慣や態度を見直し、実践に移すことで、心の平安と自由が訪れる――それがこの句の核心です。
💼 ビジネスにおける解釈と応用
観点 | 実践例 |
---|---|
気づきから行動へ | 組織や個人にとって重要なのは、知識ではなく、それをすぐに活かす行動力。 |
コンプライアンスの実行 | ルールを知っていても実行しなければ意味がない。真理(正しいこと)を守る意識を習慣化する。 |
持続的改善 | 成長や成功への道は、日々の小さな清め=軌道修正と継続的努力にある。 |
スピードと誠実さの両立 | 気づきと誠実さをもってすぐ動ける人は、信頼され、リーダーシップを発揮できる。 |
🧠 心得まとめ
「気づいたなら、すぐに歩みを清めよ」
真理を学ぶことは重要だが、それ以上に大切なのは、心と行いを整える“今この瞬間”の選択である。
「心ある者」は、日々を誠実に、清らかに、着実に整えていくことで、やがて大いなる安らぎに至る道を自ら築いていくのです。
この節は、第六章「戒しめ」の総括として、「学びを生き方に転じよ」というメッセージを力強く投げかけています。
コメント