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心を覆うものを取り除け、清きものは濡れぬ


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📖 原文引用(日本語訳)

覆われたものに、雨が降り注ぐ。開きあらわされたものには、雨は降らない。それ故に、覆われたものを開けよ。そうしたならば、それに雨は降り注がない。
――『ダンマパダ』第六章「戒しめ」第十四節


📝 逐語訳

  • 覆い(とじた状態)にあるものは、雨を受けて濡れてしまう。
  • 一方で、開いてあらわになったものには、雨は溜まらず、降り注ぐこともない。
  • だからこそ、覆い隠されたものを開放せよ。
  • そうすれば、害や障り(=雨)はその上にとどまることができない。

🧩 用語解説

  • 覆われたもの:ここでは「閉ざされた心」「無明(無知)に覆われた意識」「隠された煩悩」などを象徴。
  • :外的な誘惑・困難・苦しみ・煩悩・悪意など、心を乱すあらゆる外的因子。
  • 開かれたもの:真理に照らされ、心が透明で、執着や恐れを捨てた状態。
  • 開けよ:自己開示、内観、気づき、煩悩の浄化を意味する行為。

🪞 全体現代語訳(まとめ)

閉ざされたものは、苦しみや不安(=雨)を内部に抱え込みやすい。しかし、心を開いておけば、それらはとどまらず流れ去っていく。
だからこそ、自分の中にある隠された感情や執着、誤解を開示し、見つめ、手放すことが必要であると本句は語っている。


🌏 解釈と現代的意義

この教えは、「閉ざされた心は傷つきやすく、開かれた心は傷を受け流せる」という心理的洞察に通じます。
苦しみや悩みがたまりやすいのは、それを抑圧・隠蔽しているからであり、素直に開示し、気づきの光を当てれば、それらは自然と消えていく
という仏教的な浄化の知恵です。

現代人にとっても、自己開示・内省・対話の重要性を静かに説いています。


💼 ビジネスにおける解釈と応用

観点実践例
心理的安全性チーム内で「言えない雰囲気」があると、ミスや不満が蓄積する。開示することで改善や成長が始まる。
セルフリーダーシップ自分の弱さ・怒り・欲望を「心の覆い」として自覚し、それを見つめることが真の成長につながる。
健全なフィードバック文化閉じた組織では問題が潜伏し、開かれた組織では風通しの良い改善が促進される。
ストレスマネジメント苦しみを抱え込まず、開示し共有することで、心にとどまらず流れていく(カウンセリング・雑談の重要性)。

🧠 心得まとめ

「心を閉ざせば苦しみが染み込み、開けば苦しみは流れ去る」

自己を守るための「覆い」が、実は苦しみを内にため込む原因であることを知り、恐れずに開示し、向き合うことが、心の自由への第一歩です。
この智慧は、仏教的な浄化の教えでありながら、現代の人間関係や組織運営にも通じる深いヒントを含んでいます。

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