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📖 原文引用(日本語訳)
戒しめを受けたもつことは楽しい。身体が悩まされることがない。夜は安らかに眠る。目が覚めたならば心に喜ぶ。
――『ダンマパダ』第六章「戒しめ」第三節
📝 逐語訳
- 戒律を保ち、正しく生きることは、心にとって楽しく安らぎがある。
- その人の身体は、苦しみや不調に悩まされにくくなる。
- 夜は安心して眠ることができ、
- 朝に目覚めれば、心は清らかで満ち足りた喜びに包まれる。
🧩 用語解説
- 戒しめ(シーラ):倫理的な規範や仏教における五戒(不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒)などを意味し、心と行いを正す生活の基本。
- 楽しい(スカ):一時的な快楽ではなく、持続的で安定した精神的・身体的な快適さ。
- 悩まされることがない:心身が苦痛・罪悪感・後悔から解放されている状態。
- 喜ぶ:目覚めとともに感じられる清らかで自然な喜び、善業をなした者に訪れる心の静けさ。
🪞 全体現代語訳(まとめ)
この句は、戒律(モラル)を守って生きることが、目に見える具体的な幸福――身体の健康・心の平安・熟睡・爽快な目覚め――をもたらすと教えてくれる。道徳は抽象的な理想ではなく、日常生活の質を高める現実的な力であるという仏教の洞察が凝縮されている。
🌏 解釈と現代的意義
この教えは、「正しい生き方は苦しい」という誤解を覆します。むしろ、誠実であることこそが、肉体的・精神的な安心感と幸福の源であると語っています。後ろめたさを抱えたまま過ごす不安定な人生ではなく、堂々と心安らかに眠れる生き方こそ、豊かさの本質なのです。
💼 ビジネスにおける解釈と応用
観点 | 実践例 |
---|---|
コンプライアンスの意義 | 法令や社内ルールを守ることは、リスク回避だけでなく、安心して働く土台となる。 |
仕事と健康 | モラルある働き方を実践することで、ストレスが軽減され、心身の健康にもつながる。 |
チームの安心感 | 誠実な言動が信頼を築き、職場全体の心理的安全性を高める。 |
生産性と平安 | 「やましさ」のない働き方は、睡眠の質や集中力の向上をもたらし、結果的に成果にもつながる。 |
🧠 心得まとめ
「心安らかなる者に、幸福は自然と訪れる」
倫理を守り、正しく働く者は、夜は静かに眠り、朝は晴れやかに目覚める。それは何ものにも代えがたい人生の安らぎです。ビジネスの場においても、誠実な仕事がもたらすのは、成果だけでなく“心の余白”という贅沢なのです。
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