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時を惜しみ、心を護る者は、堕ちずに生きる


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📖 引用原文

そのように自己を守れ、汝らは瞬時も空しく過すな。
時を空しく過した人々は、地獄に堕ちて悲しむ。

——『ダンマパダ(法句経)』第5章 第十七句


🧩 逐語訳

  • そのように自己を守れ、
     (前句までの教えを受けて)内外からの悪に備えて、自分自身をきちんと守れ。
  • 汝らは瞬時も空しく過すな。
     どんなに短い時間でも無意味に過ごしてはならない。常に意識的に、気づいて生きよ。
  • 時を空しく過した人々は、
     怠惰や無自覚により貴重な時間を浪費してしまった者たちは、
  • 地獄に堕ちて悲しむ。
     その報いとして苦しみの世界(精神的な破滅・自己嫌悪)に堕ち、深く後悔することになる。

🔍 用語解説

用語解説
自己を守れ自己の行動・心・判断を正しい方向に保つこと。内省と自律の重要性を示す。
瞬時も空しくごくわずかな時間でも無意味に過ごさず、常に正念(気づき)を保つべきという教え。
空しく過す精神的に惰性で生きること。価値を生まず、意味を感じないまま時間を流すこと。
地獄に堕ちる仏教的には六道輪廻の中で最下層の苦しみの世界。比喩的には、後悔・絶望・精神的破綻など。

🗣 全体の現代語訳(まとめ)

だからこそ、自分自身の心と行いを日々しっかりと守りなさい。
そして、どんな短い時間でも「何となく過ごす」ことのないようにしなさい。
なぜなら、時間を浪費し続けた人は、やがて心の闇に堕ちて、
「あの時、何もしてこなかった」と深く悔やむことになるからである。


🧠 解釈と現代的意義

この句は、仏教の厳しくも愛ある警句です。
「時間は命そのもの」であり、空しく過ごす=命を無駄に使うことなのだと諭しています。
現代では、娯楽・SNS・情報消費・怠惰・無目的な忙しさなど、
“空しさ”を感じやすい時間の過ごし方が身の回りにあふれています。

その中で、「気づきながら生きる」「今ここに集中する」ことは、
地に足をつけて生きるための、最も実践的な智慧です。
この句は、**「時間の使い方は、そのまま人生の質になる」**という、現代人への強いメッセージでもあります。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
時間管理「忙しいのに成果が出ない」状態は、空しい時間の積み重ね。意図のある時間配分が必要。
会議・業務の質意味のない会議・資料作成・承認のためだけの行動など、形だけの仕事は“地獄”の温床となりうる。
キャリア形成「何となく会社にいる」ことは、気づいた時には人生の貴重な時期を失っている可能性がある。
ワークライフバランス余暇ですら“意味のない時間つぶし”ではなく、回復や創造に結びつく時間として活かす工夫が重要。

🧭 心得まとめ

「時間は、あなたの人生そのもの。空しく過ごせば、後悔という地獄が待っている」

気づいたときには遅い――
これは「死」を語る言葉でもあり、「怠惰」の警告でもあります。
わずかな時間すら意識的に使う人は、日々を尊く活かす人であり、
それが「心を守ること」「自分を愛すること」に直結します。

日々を空しくしないとは、「意味あることだけをする」ということではなく、
「何をしていても気づいている」こと。

それが、仏教的実践の真髄であり、人生を地獄にしないための確かな道なのです。


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