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怠るな、ことわりに従い歩めば、今も未来も安らぎに至る


■ 引用原文(日本語訳)

奮起せよ。怠けてはならぬ。
善き行ないのことわりを実行せよ。
ことわりに従って行なう人は、
この世でも、あの世でも、安楽に臥す。

――『ダンマパダ』第四章「はげみ」第35節


■ 逐語訳(一文ずつ現代語訳)

  1. 奮起せよ。怠けてはならぬ。
     意志を奮い立たせて、怠惰に流されることなく目覚めていなさい。
  2. 善き行ないのことわりを実行せよ。
     道理にかなった良き行いを実際の生活で実践せよ。
  3. ことわりに従って行なう人は、
     真理・倫理に基づいた生き方をする人は――
  4. この世でも、あの世でも、安楽に臥す。
     現世でも来世でも、安らぎと平穏を得ることができる。

■ 用語解説

用語解説
奮起(ヴィリヤン・アーロペタ)意志と力を振り絞って行動すること。
ことわり(ダンマ)仏法・道理・真理。正しい規範や倫理の意。
善き行い(クスラ・カンマ)他を害せず、自他を高める慈しみある行動。
この世・あの世現実の人生と、死後の世界や次の生を含む来世的視点。
安楽に臥す心身ともに安らぎ、恐れや悔いのない状態で眠る・生きること。

■ 全体の現代語訳(まとめ)

怠惰に陥ることなく、努力しなさい。
善きこと、正しいことを実際に行動に移しなさい。
真理に従って生きる人は、
この世においても、死後においても、
安心と安らぎに包まれた日々を送ることができるだろう。


■ 解釈と現代的意義

この節は、怠惰への警鐘と倫理的実践への励ましが一体となった教えです。
「善きことわりに従って生きよ」という勧めは、
単に個人的修行にとどまらず、社会的・道徳的な責任ある生き方にもつながります。

重要なのは、「知っている」だけではなく「実行する」ことです。
真理や善を理解していても、それを実践しなければ意味がない。
一方で、行動する者には、現実にも死後にも「安楽」が与えられる――
これは仏教における行動中心の倫理観を端的に表しています。


■ ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
リーダーの自律と実行力倫理的に正しいとわかっていても行動に移せなければ信頼されない。判断力と実行力が信頼の源。
長期的視点の成果短期の損得でなく、「道理にかなった行動」を積み重ねる人が、長く安心して働き続けられる。
自己評価と精神的充足他人の評価ではなく、自分が「正しく生きたか」で安心できる人は、精神的にも安定している。
組織倫理の実践倫理的理念を掲げるだけでなく、それを一人ひとりが日常業務で「実行する」ことが信頼を生む文化の基盤となる。

■ 心得まとめ

「道理に従い、行動する者には、心の平安が訪れる」

知っているだけでは、何も変わらない。
怠りを退け、意志をもって立ち上がり、
正しさを実践する者だけが、
この世でも、次の世でも、安心して「眠れる」人生を得られる。


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