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はげむ者こそ、天上にも称えられる


■ 引用原文(日本語訳)

つとめはげむことを人々はほめたたえる。
放逸なることはつねに非難される。
マガヴァト*は、つとめはげんだので、神々のなかでの最高の者となった。

――『ダンマパダ』第四章「はげみ」第24節
*マガヴァト(Maghavā):天帝インドラ(帝釈天)の別名。


■ 逐語訳(一文ずつ現代語訳)

  1. 人々は、つとめにはげむことを称賛する。
     努力し勤勉に生きる者は、広く尊敬される。
  2. 怠り・放逸は、常に批判の対象となる。
     怠慢やだらしなさは、どこでも悪しきものとして非難される。
  3. 天界の王・マガヴァト(帝釈天)は、
     神々の中でも特に高貴な存在とされるインドラは、
  4. 勤勉にはげんだからこそ、その地位に上り詰めたのである。
     努力の実践によってこそ、最高の位置に達したとされる。

■ 用語解説

用語解説
つとめはげむ(ヴィーリヤ)精進・努力・不断の勤行。仏教の五力の一つでもある。
放逸(プラマーダ)怠惰・無気力・気づきの欠如。仏教では堕落のもととされる。
マガヴァト(Maghavā)天界における最高神のひとり、帝釈天(インドラ)。努力を重ねたことでその地位に至ったとされる。
神々の中の最上者修行や徳を積んだ結果として得られる最上位の存在。

■ 全体の現代語訳(まとめ)

人々は、たゆまず努力する者を賞賛し、
怠って生きる者を非難する。
このことは人間界に限らず、神々の世界でも同じである。
天界の帝釈天(マガヴァト)でさえ、努力を重ねてこそ、その最高の地位に就いたのだ。
努力と精進は、人格・地位・尊敬を獲得する普遍の道である。


■ 解釈と現代的意義

この節は、**「努力と精進は、人間的・社会的・精神的高みをもたらす普遍の道である」**ことを説いています。
仏教においては、**放逸(怠惰)**は心を曇らせ、進化を止める最大の障害とされ、
逆に努力を積む者は、神のような存在にまで成長できるとまで言われています。

このメッセージは、現代社会――特に「一発逆転」や「楽して得る成功」がもてはやされがちな今――に対し、
**「地道な努力こそ、真の栄誉をもたらす」**という確かな価値観を示してくれます。


■ ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
継続的な努力の価値成果がすぐ出なくても、誠実に努力を続ける者は必ず評価される。
勤勉の美徳「あの人は努力の人だ」と言われること自体が、最大のブランド。
怠慢への警告小さな怠けが信用・評価を下げる。放逸は目に見えずして影響を及ぼす。
リーダーの徳性リーダーもまた、努力し続ける姿勢を示すことで、部下の信頼を得る。

■ 心得まとめ

「つとめ励む者は、天すら動かす。」

どんな世界でも、努力し続ける人が尊ばれる。
それは時代を超えて不変の真理である。
語ることより、誇ることより、まずは一歩ずつ努力を重ねること。
その歩みこそが、信頼をつくり、立場を築き、
やがては人を超えて「神々のごとき存在」として尊ばれる礎となる。


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