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怠るな、さもなくば悪魔は汝につき従う


■ 引用原文(日本語訳)

いまや怠りなまける時であってはならない。
煩悩の汚れを滅ぼし尽くさないならば、
その放逸なる人を、悪魔がつきそって行く。
鹿の母が獅子につきそって行くようなものである。

――『ダンマパダ』第四章「はげみ」第13節


■ 逐語訳(一文ずつ現代語訳)

  1. 今こそ、怠けている時ではない。
     人生のどの段階においても、油断して怠惰に流れるべきではない。
  2. もし、心の汚れ(煩悩)を完全に滅ぼしきらなければ、
     貪り・怒り・迷いといった心の毒を取り除かなければ、
  3. その怠惰な者には、悪魔(マーラ)が常に付き従う。
     放逸な人の心には、誘惑と堕落の力が常に付きまとい、支配しようとする。
  4. それは、鹿の母が獅子のあとをついていくようなものだ。
     弱く無防備な者が、破滅に向かって進む様子に等しい。

■ 用語解説

用語解説
怠りなまけ(パーマーダ)仏教で最も警戒される心の状態。無関心、努力の放棄。
煩悩の汚れ(キレーサ)貪欲(欲望)、瞋恚(怒り)、愚痴(無知)の三毒を中心とした心の汚染。
悪魔(マーラ)精神的成長を妨げ、悟りへの道を塞ごうとする象徴的存在。
鹿の母(ミーガマータ)と獅子無力な存在が自ら危険に向かっていくたとえ。自滅的な愚行の象徴。

■ 全体の現代語訳(まとめ)

今この瞬間も、怠惰に流されてはならない。
もし心の汚れを徹底して取り除かずに放置すれば、
その心の隙間に、悪しき力(マーラ)が入り込み、
まるで母鹿が獅子についていくように、
自ら破滅に向かって歩んでしまうことになるのだ。


■ 解釈と現代的意義

この節は、**「怠惰と油断は、心の破滅の入り口」**だと鋭く警告しています。
私たちは時として「少しぐらい休んでも…」「この程度の甘えなら…」と自分を許しますが、
その積み重ねが、やがて大きな後悔や失敗を招くということを忘れてはなりません。
真の自由・幸福・成功を得るには、心を整え、継続して努力することが絶対に必要なのです。


■ ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
タイムマネジメント「今ではない」と怠ける癖が、後に大きな損失や信用低下を招く。行動の先延ばしは、悪魔(混乱)を呼び寄せる。
モラル・コンプライアンス小さな不正や妥協も、「今だけなら…」という怠惰から始まる。問題が大きくなる前に断ち切る判断力が必要。
自分への甘さの管理成長を妨げるのは能力ではなく、日々の「油断と惰性」。目の前の“楽”が“破滅”に繋がることもある。
リスク回避・防災意識「問題ないだろう」と油断することで、思わぬトラブルや危機を招く。マーラは“安心”の顔でやってくる。

■ 心得まとめ

「怠惰は悪魔の入り口。今こそ目を覚ませ。」

怠惰な心は、誘惑と失敗を呼び寄せる温床となる。
努力を止めた瞬間から、崩壊は静かに始まる。
心を鍛え、気を引き締め、今日この時を大切にする者こそ、
悪魔に隙を与えず、真の安らぎと成功を手にするのである。


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