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静める者は縛られない。観る者は執着を超える


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📜 引用原文(日本語訳)

あれこれの考えをしずめるのを楽しみ、
つねに心にかけて、(身体などを)不浄であると観じて修する人は、
愛執を捨て去るであろう。
かれは実に束縛の絆を腐らせる。
――『ダンマパダ』 第三章「愛執」より(二)


🔍 逐語訳

  • あれこれの考えをしずめるのを楽しみ:妄想や雑念を鎮め、心の静寂を喜ぶ。
  • つねに心にかけて:常に注意を向けて観察し続ける姿勢。
  • 不浄であると観じて修する人:身体や現象世界に清らかさを見ず、あるがままに不完全性を観じて修行する人。
  • 愛執を捨て去るであろう:欲望や執着を自然に手放していく。
  • 束縛の絆を腐らせる:心を縛る執着や執念の鎖が朽ち果てていくこと。

💬 全体現代語訳(まとめ)

心を静かに整え、常に自分の内外を観察し、「美しい」「完璧」と誤って見なしているものの不完全性(不浄性)を認識して修行する者は、自然と欲望を手放すことができる。そして、その人は心を縛っていた執着の鎖を、いつしか腐らせてしまうのである。


🧭 解釈と現代的意義

この節は、**「どうすれば愛執を手放せるか」**の具体的実践を示しています。心を落ち着けて内省し、感覚的・物質的な対象への幻想を見破る訓練が、執着からの解放をもたらすという道筋です。
現代においても、スマートフォン、SNS、消費社会の刺激に満ちた生活の中で、内的沈静と観察の力を養うことは、精神的自由を取り戻すための不可欠な実践です。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点適用例
内省とメンタルケア常に忙しく動いていると、心が騒がしくなる。意識的に静かにする時間を設けることで、自分の本音や真の価値観が見えてくる。
表面的価値からの脱却見た目やブランド、流行に惑わされるのではなく、「本質は何か?」を見極める視点が、正しい判断を導く。
執着しない経営判断一つの商品や市場に過剰に執着せず、変化に柔軟に対応することが、企業の成長につながる。
マインドフルネスと集中雑念を鎮める力は、集中力・創造性・判断力の向上につながる。特にリーダー層には不可欠な資質である。

🪷 心得まとめ:感興のことば

「静けさの中でこそ、執着は手放される。
真に観る者は、欲に縛られない」

この章句は、欲望を無理に抑え込もうとするのではなく、「正しく観ること」で自然に執着が離れることを示しています。静寂と観察――この二つが、ビジネスにおいても私生活においても、自由と智慧への道を照らしてくれます。


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