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欲に溺れて、命の終わりを忘れるな


目次

📜 引用原文(日本語訳)

一五
愛欲を貪っている人々は実に放逸であって、
なしてはならぬことを楽しんでいる。
死の危機が迫って来るのをかれらは見ない。
人生は短いのに。


📖 逐語訳(意訳含む)

  • 愛欲に心を奪われている者は、放逸(=心のたるみ・無自覚)な生き方をしている。
  • やるべきではないことに夢中になり、
  • 迫り来る死の現実に目を向けようとしない。
  • それなのに、人生はあまりにも短いのだ。

🧩 用語解説

  • 愛欲(あいよく):欲望・執着・感覚的な快楽への依存。仏教では煩悩の根本とされる。
  • 貪る(むさぼる):足るを知らずに追い求め続けること。
  • 放逸(ほういつ):怠惰・油断・節度のなさ。心の慎みが失われている状態。
  • なしてはならぬこと:道徳や本分を離れた言動、精神的退廃。
  • 死の危機:人生の終末。仏教では「無常」を象徴する。
  • 人生は短い:人の命の有限性。仏教的には「生死一如」「朝露の如し」とも表現される。

🪞 全体の現代語訳(まとめ)

愛欲に心を奪われ、快楽ばかりを追い求めている人は、物事の善悪や本質を見失い、自らを律することなく生きている。そうした人々は、やがて必ず訪れる死の現実に気づこうとしない。しかし人生はあまりにも短く、貴重な時間を浪費している余裕などないのだ。


🧠 解釈と現代的意義

この章句は、現代における「無自覚な消費」「快楽主義」「怠惰な習慣」への強い警鐘です。人は、欲望の刺激に翻弄されるあまり、自分の行動がどれほど無意味な浪費であるかに気づかずに生きてしまいます。しかし、人生には限りがあり、いずれ必ず終わりが来るという厳粛な現実があります。この章は、私たちに「有限の命をどう使うのか」を突きつけるのです。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点応用例
時間意識の再確認「まだ先がある」と油断せず、今できることに集中する。毎日を大切に生きる視点。
働き方の健全化仕事も私生活も「惰性で続けていること」がないか見直し、やるべき価値ある行為に集中する。
経営者の視座「利益や成果を求めすぎて、本当に大切なことを見落としていないか?」という問いかけが、組織を本質に戻す。
倫理と判断誘惑に駆られて道を外れそうなとき、「死が近づいている」と思えば、判断は変わる。時間は無限ではない。

🧭 心得まとめ(座右の銘風)

「命には終わりがある。欲に溺れている暇はない。」
死は遠い未来ではなく、静かに確実に近づいている。
放逸のうちに過ぎる一日は、取り戻せない一日である。
目覚めて、今を大切に使え。


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